[ 科学技術・大学 ]

材料の界面構造、計算1秒 東大、AIの「転移学習」活用

(2017/11/16 05:00)

  • 74次元空間の模式図 各界面(GB1、GB2...)は3次元の探索空間を有しているが、各3次元空間が独立しているため転移学習が使用できない。そのため、各界面が共通している74次元の探索空間を新たに作成した。その74次元空間を使うことで初めて転移学習を使用することができた(東京大学生産技術研究所提供)

  • 研究成果の模式図 (上)過去に学習した経験(Knowledge)を次々に転移(Transfer)することで、(下)のように多くの界面構造を高速に決定することができる。(下)は本研究で実際に得られた界面の構造(東京大学生産技術研究所提供)

東京大学生産技術研究所の溝口照康准教授らは、材料の界面構造の推定に人工知能(AI)技術を活用し、計算量を3600分の1に抑えることに成功した。AI技術の一つ「転移学習」を利用し、最も安定な界面構造を計算した。従来は1時間かかっていた計算が1秒で済む。これまでは計算できなかった規模の界面構造を求められ、材料設計に生かせるようになる。

研究グループは、鉄材内部の33種類の界面構造を計算で求めた。原子数は100―600個。想定されるすべての構造を確かめるには165万回の計算が必要だったが、462回の計算で33構造を求めることができた。

界面の三次元立体構造を74次元に拡張して転移学習を利用した。転移学習は計算結果を別の似た問題に転用して効率的に解く手法。最安定構造にたどり着くまでに、計算結果を繰り返し利用し学習して計算数を減らすことができた。

(2017/11/16 05:00)

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