[ 政治・経済 ]
(2017/11/24 15:00)
最後の連絡後に「爆発音」、消息不明の潜水艦か
【サンパウロ時事】アルゼンチンの南大西洋沖で、44人を乗せた同国海軍の潜水艦「サンフアン」が15日に消息を絶ってから1週間以上が経過した。周辺国の協力を得て必死の捜索が繰り広げられているが、手掛かりはない上、爆発発生の情報もあり、家族らの間で絶望感が広がっている。
アルゼンチン南端から中部マルデルプラタに向かっていたサンフアンは、南部バルデス半島の南東沖432キロで15日朝の通信を最後に連絡が取れなくなった。
海軍は10カ国以上の協力を得て、日本の国土の1.3倍に及ぶ海域を対象に捜索を進めている。しかし、そもそも潜水艦は発見しにくく造られており、悪天候にも阻まれて消息の手掛かりはつかめないままだ。
海軍報道官は不明1週間を迎えた22日、艦内の酸素は1週間分しかないことを明かした上で、「重大局面」を宣言。翌23日には、最後の連絡から3時間後に艦内で爆発が起きた可能性があることが分かった。
海軍は家族を集めて説明会を開催。ある乗組員の妻は「水深3000メートルに沈んでいると聞いた。生還は諦めている」と号泣。別の乗組員の妻は「生後11カ月の子供を抱えて、夫を失ってしまった。これからどうなってしまうのか」と途方に暮れるばかりだった。
地元紙によると、救援用の特殊潜水艇を載せた国際救援隊の船が、爆発があったとみられる海域に向かうが、到着は27日ごろになる見込みという。
(2017/11/24 15:00)