1000億グローバル企業への一手、8インチウエーハ生産拡大【フェローテックHD/PR】

(2017/12/13 00:00)

  • 8インチ半導体ウエーハの生産を拡大

中国・杭州市に新会社設立、将来的には月産最大45万枚の生産体制に

 フェローテックホールディングスは中国・杭州市に8インチ半導体ウエーハ量産工場となる新会社を設立し、将来的に同ウエーハ月産最大45万枚の生産体制を整えている。2019年3月期目標に売り上げ1000億円、営業利益率10%台を掲げている同社。セグメント別では「半導体等装置関連事業」で他の事業と比べ5割近くの売り上げを占める430-460億円をねらう。

 パソコンやICカードなど、日常生活の中で何げなく使用している製品の構成部品である半導体の市場は今、転機を迎えている。IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)、ADAS(先進運転支援システム)などオフィスや家庭、交通といった環境を豊かに変えていく先端技術のめまぐるしい成長によって、需要が増大している。その現状を「世界で必要とされている8インチウエーハは月間生産600万枚程度。現状、対応できているのは500-530万枚程度だ」と賀賢漢副社長は言い、迅速な需要対応が求められている。同副社長は杭州の新会社「杭州中芯晶圆半导体股份」董事長・総経理も務めており、同工場稼働による増産体制に期待を寄せる。

  • 賀賢漢副社長

 1000億円の売り上げ実現のためには増産体制を整えることが重要だ。ウエーハ製造で世界3位の台湾グローバルウェーハズと業務提携し、銀川工場、上海工場の量産体制も整えている。杭州新工場は2018年末に試運転予定で19年後半に月産10万枚からはじめ、最終的には月産30万枚体制の確立を目指す。同社は8インチ市場の世界のポテンシャルは月産580万枚と目している。上海の生産体制を合わせることで月産45万枚の生産が計算上可能となり、中国における半導体ウエーハの最大供給企業になることを予想している。

 8インチウエーハ製造の杭州工場は杭州市から約100億円の援助を受け、合計500億円程度の設備投資を行う。中国は2049年までに製造強国の筆頭グループに名を連ねることを目的とし、そのファーストステップである戦略「中国製造2025」を実施している。その中で同社はしなやかに成長をねらう。また、若手の労働人口の高学歴化が進んでおり、第3次産業にシフト傾向の同国市場も読んでいる。同社は半導体マテリアル製品などの生産能力拡大のためにロボット化や自動化を進めたスマートファクトリーも構築を進めるなどテクノロジーと世の中をマッチさせ、変わらぬ成長を図る。

半導体市場の成長エンジン、自動車市場にも力

  • 半導体冷熱素子モジュール(単体)

  • サーモモジュールユニット

  • パワー半導体基板

 半導体市場の中で、自動車市場は成長エンジンのひとつでもある。EV(電気自動車)普及により、車載製品は増加しており、電気、ガソリン併用のPHV(プラグインハイブリッド)車を含めると、EV市場は2035年には1000万台を超えるという。英・仏でのガソリン車抑制だけでなく、中国では2018年施行予定のNEV法(ニュー・エネルギー・ヴィークル規制法)も注目だ。同法は19年以降、新エネルギー車の10%以上の製造・販売を各自動車メーカーに義務付けるもので、EVの電流センサ関連やライダー通信チップなど、半導体需要の増大が見込まれる。すでに同社は自動車関連のプロジェクトを起ち上げており、今後3年間で200億円の売り上げを目指す。中でも同社電子デバイスセグメントの冷熱素子サーモモジュール、パワー半導体基板、磁性流体の各製品は今後自動車関連のアプリケーションでの採用拡大を目指す重点製品となる。

 携帯端末やデータセンターで使用する記憶媒体のSSD(ソリッドステートドライブ)に3DNANDフラッシュメモリの需要も高まっている半導体。今後半導体製造装置や工作機械にも半導体の使用量は増す傾向であり、車載やスマホ同様に、これらが半導体チップの需要をつくり出すポテンシャルも高い。

セミコン・ジャパン 2017に出展

 同社は13日-15日まで東京・有明の東京ビッグサイトで開催される半導体製造装置・材料の総合展示会「SEMICON Japan」に出展している。半導体製造装置用のマテリアル消耗材である石英・セラミックス・CVD-SiCの各製品、その他同社コア製品である真空シールや新規参入となる8インチシリコンウェーハ等の展示が見所だ。

  • 静電気防止マシナブルセラミックスの特徴

 また、石川県に開発センターを建設(17年11月竣工)しセラミックス材料の開発にも力を入れる同社は、精密加工性に富んだ「静電気防止マシナブルセラミックス」を出展する。

 その背景としては、昨今、主に半導体製造プロセスの中で樹脂材料からセラミックス材料へ切り換えを要望される顧客が、ESD(electro-static discharge; 静電気放電)を兼ね備えたセラミックスの供給を期待していることにある。同社は今後、潜在顧客へのマーケティングも強化し、必要に応じ、開発の強化と市場投入を図っていく考えだ。

動画「90秒でわかるフェローテックの半導体用シリコンウェーハ」

動画「90秒でわかるフェローテックのセラミックス製品」

(2017/12/13 00:00)

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