[ オピニオン ]

社説/人手不足の深刻化−変革の好機、新たな仕組み築け

(2017/12/15 05:00)

流通や物流、外食、サービス業で人手不足が深刻化する中、コンビニエンスストア各社が省人化に向けた取り組みを進めている。人手不足を好機ととらえ、オペレーションの仕組みをいま一度点検し、新たな仕組みを構築すべきだ。

セブン―イレブン・ジャパンは、唐揚げなどを揚げるフライヤー、中華まんやおでんを入れるケースなどの機器を洗浄する食洗機の導入を進めている。2018年2月までに約2万の全店に導入を終える計画だ。

従来は加盟店の従業員が手で洗い、作業に数時間を要していた。食洗機の導入で時間は3分の1に短縮する。同社はすでに店舗の床の素材をプラスチックから、より曇りにくいセラミックスに張り替えて、清掃時間を4分の1程度にした。

人手不足に対応するだけでなく、従業員が接客や品出し、発注作業などに集中できるようにして、ストレスの軽減も狙っている。まさに人手不足を逆手にとった形だ。

ローソンのレジの無人化構想や、ファミリーマートによるAIを活用した次世代店舗構想も、将来のオペレーション効率化に布石を打ったものだ。

いずれも買い物をする人は、あらかじめスマートフォンにアプリをダウンロードしておき、スマホをかざして入店する。スマホで商品のバーコードを読み取ると、自動的に決済される。

ローソンは午前0時から5時までは従業員が接客せずに無人で決済できる店舗を来春に導入する。この時間帯はスマホで認証登録した人しか入店できず、在庫管理などを行う従業員がカメラで監視し、不正を防ぐ。首都圏の2―3店舗で実験的に始め、適用を広げていく。

無人レジはネット通販の米アマゾン・ドット・コムが実験を始めている。だが、なかなか実用化に踏み切れないところをみると、実験自体が難航しているとみられる。無人化がいかに難しいテーマかが分かる。

ただ今後も人手不足が続くことは確実で、これによる機会損失は避けねばならない。各社の新しい挑戦に期待したい。

(2017/12/15 05:00)

総合4のニュース一覧

おすすめコンテンツ

電験三種 合格への厳選100問 第3版

電験三種 合格への厳選100問 第3版

シッカリ学べる!3DAモデルを使った「機械製図」の指示・活用方法

シッカリ学べる!3DAモデルを使った「機械製図」の指示・活用方法

技術士第一次試験「建設部門」受験必修キーワード700 第9版

技術士第一次試験「建設部門」受験必修キーワード700 第9版

モノづくり現場1年生の生産管理はじめてガイド

モノづくり現場1年生の生産管理はじめてガイド

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン