[ 科学技術・大学 ]

【電子版】割れても数時間で元通り 東大が自然修復ガラスを開発

(2017/12/17 07:00)

硬い透明樹脂(ポリエーテルチオ尿素)の板(縦1cm、横2cm、厚さ2mm)を切断し、室温で押し付けると修復する(東京大提供、時事)硬い透明樹脂(ポリエーテルチオ尿素)の板(縦1cm、横2cm、厚さ2mm)を切断し、室温で押し付けると修復する(東大提供、時事)

室温でくっつき、切断前の強度回復

 割れても室温でつなぎ合わせて押し付けておけば、元に戻る硬い透明樹脂が開発された。東京大の大学院生柳沢佑さんや相田卓三教授らが15日、米科学誌サイエンス電子版に発表した。こうした材料の設計に重要な条件も解明した。自動車の窓などに応用できれば、耐久性や安全性を高められる可能性があるという。

 この透明樹脂は「ポリエーテルチオ尿素」と呼ばれる有機化合物。二酸化ケイ素を主成分とする一般的な無機ガラスとは異なるが、学術的には分子が規則正しい結晶のような配列ではない物質をガラスと呼ぶため、有機ガラスに分類される。

 実験では縦1センチ、横2センチ、厚さ2ミリの透明樹脂を、はさみで二つに切断。それぞれをピンセットではさみ、断面同士を室温21度で30秒間押し付けた。その直後、片方に300グラムの重りをぶら下げても分離せず、数時間後には切断前の強度が回復した。

 分子構造が微妙に異なる物質で実験を繰り返した結果、切断面が元通りくっつくには、高分子の鎖が比較的短く動きやすいことや、鎖同士をつなぐ水素結合が容易に復活することなどが重要な条件と分かった。(時事)

(2017/12/17 07:00)

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