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[ エレクトロニクス ]
(2017/12/26 05:00)
日立製作所は25日、人工知能(AI)を活用しサプライチェーンを効率化する技術を開発したと発表した。複数のAI群同士が自己競争を通じて正解を学習していくのが特徴。従来のAI技術のように事前に大量の実績データを必要とせずに適切な判断を下せる。日立は、実績データを十分に入手できないビジネス上の課題解決に役立つとみており、エネルギーや金融取引の最適化など幅広い分野で応用機会を探る。
日立の新しいAI技術では小売り、卸売り、仲卸、工場というサプライチェーン段階のそれぞれの業務に対応した四つのAIで構成するAI群を生成。このAI群内で各AIが情報をやりとりし、損失低減などの目的を達成するためのアクションを学習し成果を出す。
さらにAI群をコンピューター上に複数生成し、各群に成果を競わせることで最適な判断を下せるよう進化させる。サプライチェーンを工夫して在庫や欠品を抑える仮想の「ビールゲーム」でAIの効果を実証したところ、ゲーム熟練者に比べ損失を4分の1に減らせたという。従来のAI技術では大量の実績データを使った学習が不可欠。最近では囲碁などの対戦型ゲームでAI同士が自己競争によって学習する技術が発達してきたが、同技術を不確定要素の多いビジネス分野に応用した事例は珍しい。
(2017/12/26 05:00)