[ 科学技術・大学 ]

白血病根治に光明 京大、免疫機構を発見

(2018/3/5 05:00)

京都大学大学院医学研究科の湊長博特命教授らは、白血病の根治につながる免疫反応を起こす機構を発見した。細胞の移動を制御する「SIPA1」という遺伝子が欠失すると、がん遺伝子を原因とする「慢性骨髄性白血病」(CML)を発症しないことをマウスで確認。免疫系のT細胞が白血病組織の奥深くまで入り込める。がん免疫治療薬「オプジーボ」のように免疫のブレーキを外せる可能性がある。薬剤耐性のある白血病にも有効で、根治が期待できる。

CMLの原因であるがん遺伝子を発現した造血幹細胞を正常マウスに注射すると、すべてのマウスがCMLを発症して死亡した。ところがSIPA1を欠失したマウスはすべて元気なまま生存した。

SIPA1が存在しなければ、繊維芽細胞が白血病細胞近くに移動し、細胞遊走因子を分泌する。これを手がかりにT細胞が白血病組織の内部に移動し、白血病細胞を直接攻撃できる。

従来のヒトCML治療は、がん遺伝子の突然変異で分子標的薬が効かなくなり、再発や急性転化によって完全な克服が難しかった。SIPA1を標的とする薬剤で免疫のブレーキを解除すれば、強力な効果が得られる。

(2018/3/5 05:00)

科学技術・大学のニュース一覧

おすすめコンテンツ

電験三種 合格への厳選100問 第3版

電験三種 合格への厳選100問 第3版

シッカリ学べる!3DAモデルを使った「機械製図」の指示・活用方法

シッカリ学べる!3DAモデルを使った「機械製図」の指示・活用方法

技術士第一次試験「建設部門」受験必修キーワード700 第9版

技術士第一次試験「建設部門」受験必修キーワード700 第9版

モノづくり現場1年生の生産管理はじめてガイド

モノづくり現場1年生の生産管理はじめてガイド

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン