深層断面／低燃費タイヤ用合成ゴム 日本３社、世界市場に攻勢

低燃費タイヤに使われる「溶液重合スチレンブタジエンゴム（Ｓ―ＳＢＲ）」は日本メーカーが高い世界シェアを持つ。電気自動車（ＥＶ）の普及やタイヤの性能を表示するラベリング制度の拡大を追い風に「年６―８％の市場成長が見込める」（業界関係者）という。旭化成は２０１９年までに既存工場を増強、２１年以降に欧州生産に乗り出す方針を固めた。ＪＳＲは１８年に新工場を稼働予定。日本ゼオンと住友化学が事業統合したＺＳエラストマー（東京都千代田区）も能力増強を検討しており、日本３社が攻勢をかけている。（堀田創平）

高い世界シェア／先行参入、大きなリード

• 

  旭化成シンガポール工場

Ｓ―ＳＢＲはタイヤの接地面（トレッド）に使う。走行時の転がり抵抗を減らすことができ、燃費改善に寄与する。耐摩耗性に加えて、雨天時の安全走行を実現するウェットグリップ性も高い。アジアの競合メーカ...