[ 自動車・輸送機 ]

【電子版】テスラ、ソーラーシティー債務 財務の重荷に

(2018/4/8 14:30)

  • ソーラーシティー債務はテスラの信用格付けの判断材料になるテスラ総負債の一部であるため、資金調達コストに大きく影響する(ブルームバーグ)

 米電気自動車メーカーのテスラは、「モデル3」の生産遅延から、激しいフリーキャッシュフローの赤字まで課題山積で、傘下ソーラーシティーに関連する問題は目に付きにくい。それでも太陽光システム設置などを手掛ける同事業の債務は、テスラ財務への重荷になっている。

 テスラは1年4カ月前、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)のいとこ2人が創設したソーラーシティーを買収し物議を醸した。買収額は20億ドル(2100億円)だが、同時に引き継いだ債務29億ドル相当の大半は、近く償還を迎える。毎分約6500ドルというペースでキャッシュを消費し、新たな資金調達に迫られる状況を未然に回避したい同社にとって、タイミングの悪い話だ。

 コブナント・レビューのアナリスト、アレグザンダー・ディアスマトス氏は「ソーラーシティーの債務はテスラの問題の直接原因ではないかもしれないが、現時点で有益でないことは確かだ」と述べた。テスラの担当者はコメントを控えた。同社によると、太陽光事業の2017年キャッシュフローはプラスだった。

 ソーラーシティーの債務は大半がノンリコース型債務で、返済を保証するのはソーラーシティーであり、テスラではない。それでもこの債務が信用格付けの判断材料になるテスラ総負債の一部であることには変わりがなく、借り入れコストに影響する。

 テスラの総負債100億ドルのうち約30億ドルはノンリコース型債務で、その大部分はソーラーシティーから受け継いだもの。ブルームバーグのデータによると、信用格付け「B」の企業の典型的な借り入れコストは5.9%だが、S&Pグローバル・レーティングスが「B-」を付与するテスラの2025年償還債の利回りは7.2%近辺。

 格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは先月末、流動性圧力の高まりやモデル3生産未達に対する懸念から、テスラの企業グループ格付けを「B2」から 「B3」に引き下げた。(ブルームバーグ)

(2018/4/8 14:30)

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