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開発の舞台裏 中小企業優秀新技術・新製品賞(6)優秀賞−田辺塗工所

(2018/4/25 05:00)

  • 田辺塗工所の集じん機は泡でペンキを回収する

余剰ペンキ回収を楽に

◆泡による高効率、環境対応型塗装集塵機

田辺塗工所(新潟市東区)が開発した工業製品塗装用の高効率集じん機は、塗装ブースで対象物(ワーク)に吹き付けるペンキの余剰分を、界面活性剤で作った泡で回収する。従来機よりも回収率が高い上、泡で捉えたペンキは粉末状にして捨てられるため、環境負荷とコスト低減に寄与する製品として期待が集まる。

工業製品の塗装はブース内で実施する。光化学スモッグの原因とされている揮発性有機化合物(VOC)の排出や温暖化を防止するため、ワークに付着しなかった塗料ミストは回収しなければならない。吹き付けるミストの半分はワークに付かないという。従来は水を媒体とした集じん機が主流だが「消費電力や回収後のペンキを産業廃棄物として捨てる費用、騒音などが悩みの種だった」(田辺直社長)。田辺社長は車体や工業製品の塗装を営む企業のトップとして「自分たちにとって使い勝手が良いものはないだろうか」と、新方式の集じん機を企図していた。

泡に着目したのは、2011年に他社がマイクロバブルを使った回収機を発売したことが印象に残っていたからだ。界面活性剤で作った泡で実験し、ミストがきちんと取れることが分かり、開発を進めた。同剤が塗料に含まれる油分を離し、基材のみを取り出せ、乾かせば粉末状になることも分かった。泡は塗装ラインに並行してスクリーンのように流し、ミストを捕集して回収する。吸着力が高い上、従来の水方式よりも水量を減らせ、電力消費量も従来比約20%に削減できる。

泡は弱アルカリ性で装置は鉄製。水方式ではサビが不安の種だったが、その心配もない。集じん機の開発は初めての同社。田辺社長は「試行錯誤の連続だったが、楽しい経験だった」と振り返る。

集じん機はまず自社のラインに設置した。ほか20基以上を受注し、6月にも関東地区で販売委託をする代理店を設ける。将来的には全国150社体制として「普及を進め、塗装業界に貢献したい」としている。

(新潟・山田諒)

(2018/4/25 05:00)

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