[ ICT ]

【電子版】アップル、ワイヤレス充電器「AirPower」 9月発売か 開発に苦戦も

(2018/6/23 08:00)

  • Apple Special Eventで「AirPower」を発表するワールドワイドマーケティング担当上級副社長のフィリップ・シラー氏(17年9月12日、スティーブ・ジョブズ・シアター、カリフォルニア・クパチーノ=ブルームバーグ)

 米アップルが2016年にワイヤレスイヤホン「AirPods(エアポッド)」を投入した際、最高デザイン責任者のジョニー・アイブ氏は、新しい「ワイヤレスな未来」の始まりだと称賛し、同社の機器が、手間のかかる白いコードと体裁の悪いプラグやソケットがなくても接続や充電することが可能になると述べていた。

 次のステップは「iPhone(アイフォーン)」用のワイヤレス充電だった。アップルの主力製品アイフォーンを置くだけで充電できる電磁誘導方式のこのマットは、技術的ハードルで開発に時間がかかっており、同社のワイヤレス戦略の減速と最近の新製品販売の障害となっているサプライチェーンの課題を浮き彫りにしている。

 アップルは昨年9月、アイフォーン「X(テン)」と「8」がワイヤレス充電可能と発表。モフィやベルキンが販売する充電機を推奨した。アップルも独自製品の「AirPower(エアパワー)」を発表したが、2018年までは投入されないことを明らかにしていた。

 それ以降、アップルからエアパワーに関する公式発言はない。同社のエンジニアは問題対応に取り組んでいる。課題の一つは充電器が過熱しないようにすることだ。もう一つは電気回路の複雑さだと、開発事情に詳しい複数の関係者は明らかにした。アップルの広報担当はコメントを控えた。

  • 置かれた場所に関係なく3つのデバイスを認識し、正しく同時充電を可能にする設計に時間を要しているという(ワイヤレス充電器「AirPower」、アップル提供)

 市販のワイヤレス充電器とは異なり、エアパワーはアイフォーンと「アップルウオッチ」、エアポッドという3つの機器を同時に充電できる設計。アップルはユーザーがどの機器を充電マットのどこに置いても充電を始められるようにしたい考え。関係者によると、こうした野心的目標を実現するには、複数の充電センサーをエアパワーに搭載する必要があり、難しいプロセスだということが判明しているという。

 関係者の1人によると、アップルは18年のどの時期にエアパワーを発売するかを明らかにしていないが、エンジニアらは6月までに投入することを期待していた。現在は9月より前か9月中の発売を目指している。(ブルームバーグ)

(2018/6/23 08:00)

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