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【電子版】火星に深さ1mの湖、伊研究チームが「液体の水」初確認 無人探査機で調査

(2018/7/26 13:00)

  • 米航空宇宙局(NASA)の無人探査車「キュリオシティ」が撮影した火星表面の画像(13年12月、AFP時事)

【ワシントン=時事】米科学誌サイエンス(電子版)は25日、火星地表の氷床の下に「湖」があることが判明したと報じた。火星で液体の水の存在が確認されたのは初めてで、生命の痕跡探査が活発化しそうだ。

 欧州宇宙機関(ESA)の無人探査機「マーズ・エクスプレス」が、2012-15年に火星の周回軌道上からレーダーを使って地表を調査。火星南極付近にある厚さ1.5キログラムほどの氷床の下に、長さ約20キロメートルにわたり液体の水があることが分かったという。

 ロイター通信によると、水は丸みを帯びた三角形状に広がっている。深さは測定不能だが、研究チームを率いるイタリア宇宙機関のロベルト・オロセイ氏はワシントン・ポスト紙(電子版)に「少なくとも1メートル程度あるはず」という見解を示した。

  • 欧州宇宙機関(ESA)が公表した火星の「湖」の存在を示すレーダーの記録(7月25日、AFP時事)

 ロイターによれば、見つかった湖の温度は推定で零下70から零下10度。通常なら水が凍る温度だが、高い塩分濃度などのため、液状に保たれているとみられる。オロセイ氏は「魚が泳ぐような環境とは言えないが、地球上には似たような環境で生息する生物もいる」と指摘した。

 火星は大気が濃く暖かかった数十億年前、地表に水が流れていたと考えられている。しかし、現在は大気が薄くなって気圧が下がったため、地表の水は蒸発し、極地などに氷の状態で存在しているだけとみられていた。

(2018/7/26 13:00)

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