[ オピニオン ]
(2018/8/10 05:00)
建設産業では、技能労働者不足が懸念され、現場の生産性を向上する技術開発が活発だ。IoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)、ロボット関連技術に加え、3次元(3D)モデル技術であるビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM)の活用も盛ん。先進事例や調査で得られた情報を共有し、技術力の底上げにつなげたい。
BIMはコンピューター上に作成した3Dでビジュアルに表現できる形状情報に加え、柱や壁、建具、部屋などに寸法や材質など属性情報を持たせて活用できる。設計、施工、維持管理で利用される中、最近は施工でBIMを使う「施工BIM」の利用が徐々に広がり、導入事例も増えてきた。
日本建設業連合会がまとめた「施工BIMのスタイル事例集2018」は、前回調査より20事例多い99事例を集め、生産性向上につながる多様な活用方法を提案している。約7割の会員建設企業が推進し、中小規模の工事にも適用が広がっている。
施工BIM導入の効果は「干渉チェック」や「合意形成」が代表的。例えば、干渉チェックは3Dにより鉄骨と配管・ダクト設備などの干渉部分を確認しやすくし、干渉を事前に解決できる。複雑な形状の納まりを確認する作業も、図面を見比べるより容易となる。発注者や設計者との合意形成も3Dで形状を理解できるため、迅速に行える。シミュレーションでは、BIMに時間軸を加えた4次元(4D)で実際の施工イメージがつかみやすくなる。
成功要因は元請け建設会社のリーダーシップが不可欠。現場で何から取り組むかを判断し、目的を明確に取り組みたい。特に導入当初は目的を絞り、部分的導入で効果を得るのがよい。
最近は大手建設会社がBIMを活用した3Dモデルで、鉄骨など部材の工程管理が可能な工事管理システムを開発。今後、BIM活用による現場の改善提案が進む見込み。こうした動きも踏まえ、施工BIMの先進事例から活用ポイントを学び施工力を高めたい。
(2018/8/10 05:00)
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