[ ICT ]

【電子版】中国当局、ゲーム認可凍結状態か 新体制で厳格化、暴力・ギャンブル性に懸念も

(2018/8/15 15:30)

  • 規制当局の2機関は、新執行部による機構改革でゲーム登録手続きを厳格化、凍結状態にあるという(5月16日、G2E Asia マカオ=ブルームバーグ)

 中国の規制当局がゲームライセンスの承認を凍結した。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。公に話すことが認められていないとして匿名を条件に話した関係者によると、これは政府機関の間での権限見直しを受けた措置。監督当局は一部のゲームにおける暴力やギャンブルについても懸念を示していると関係者の1人が話した。

 オンラインとモバイル、コンソール型ゲームが軒並み影響を受けている。ニューズーの調査によると、中国は世界最大のゲーム市場で、売上高は推定379億ドル(約4兆2200億円)。

 ゲーム認可取得で遅れが出ていることを公表した企業はあったが、業界全体の凍結はこれまで公になっていなかった。中国で認可プロセスを監督するのは2つの機関。複数の関係者によれば、国家広播電視総局は約4カ月間にわたり認可を出しておらず、文化観光省はゲーム登録手続きを厳格化している。習近平国家主席が権力を固める中、今年の機構改革を経て両機関ではいずれも人事の刷新や責任範囲の変更があった。

社会主義的価値

 共産党指導部の入れ替えで、官僚らはリスクを取る、あるいは論争を誘発する恐れがある新たな措置を始めるのに消極的。中国のゲーム業界は中毒や暴力だけでなく、核心となる社会主義的価値の毀損(きそん)に至るまで定期的な監視の対象になっている。

 当局が直ちに再開しても認可には通常2、3カ月程度を要するため、中国のテンセント・ホールディングス(騰訊)など企業の7-9月(第3四半期)決算には潜在的な打撃となることを示唆している。

 松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「国内市場が飽和状態となる中で、アジア市場、中でも人口が多く、購買力が向上している中国市場は投資家から期待されていた。もし中国市場がふさがると、ゲーム関連企業の成長期待が剥げ落ちかねない」と述べた。

  • 13日にはテンセントが当局から「モンハン:ワールド」のダウンロードサービスの停止命令を受けている(16年8月、中国・深圳のテンセントHD本社=ブルームバーグ)

揺れるゲーム業界

 テンセントや小規模のゲーム開発業者が当局の認可を待つ中で、業界全体が揺れている。テンセントの時価総額は今年1月のピークから1500億ドル余り減少する一方、規模がより小さい企業は新たなタイトルがなければ生き残るのが難しいと訴えている。

 シティグループ・グローバル・マーケッツのパンアジア・インターネット調査責任者、アリシア・ヤップ氏は、「新たなゲームの認可には今後も足かせが残るだろう」と指摘した。(ブルームバーグ)

(2018/8/15 15:30)

おすすめコンテンツ

電験三種 合格への厳選100問 第3版

電験三種 合格への厳選100問 第3版

シッカリ学べる!3DAモデルを使った「機械製図」の指示・活用方法

シッカリ学べる!3DAモデルを使った「機械製図」の指示・活用方法

技術士第一次試験「建設部門」受験必修キーワード700 第9版

技術士第一次試験「建設部門」受験必修キーワード700 第9版

モノづくり現場1年生の生産管理はじめてガイド

モノづくり現場1年生の生産管理はじめてガイド

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン