[ トピックス ]
(2018/9/7 05:00)
●一部で輸出停止
三菱電機は関西国際空港の機能停止により、一部の半導体・液晶モジュール製品が輸出できなくなっている。別の空港を使った代替輸送を検討中。４日に終日休業していた和歌山県と香川県、兵庫県、京都府内の工場１０拠点は、５日に操業再開した。生産への影響は出ていない。
●部品輸送振り替え
パナソニックは関西国際空港経由で輸出している電子部品について、成田や羽田など４空港に振り替える方針。同社は抵抗器やコンデンサーなどを中国やタイなどに、車載部品などを欧米に輸出している。関空が長期的に機能不全となった場合、同社全体の貨物輸送量は２割程度下がる見込みだという。
●２工場操業再開
日立造船は交通機関停止で５日に操業停止していた堺工場（堺市西区）と築港工場（大阪市大正区）で６日、交通機関の運転再開により操業を再開した。
●配送に遅れ
堺化学工業は台風２１号により、同社の堺事業所（堺市堺区）と泉北工場（大阪府泉大津市）で工場の屋根・壁のスレートが剥がれ、配管破損などの被害があったが、生産設備に大きな被害はなかった。両拠点は５日に操業停止し点検・整備作業を進めていたが、同日の夜以降、一部の操業を再開した。今週内をめどにすべての操業を再開する予定。製品出荷への影響は「道路交通網の乱れから、トラック輸送を中心に一部配送の遅れが生じている」としている。
●２工場操業再開
栗本鉄工所は施設点検のため５日に操業停止していた堺工場（堺市西区）と住吉工場（大阪市住之江区）で、設備などへの影響がないことを確認し、６日操業を再開した。
●建屋が浸水
新明和工業は航空機生産の甲南工場（神戸市東灘区）において、一部の建屋が浸水しており、被害状況の精査を続けている。工場全体は稼働しているが、被害のある建屋の状況や生産への影響を確認するのに数日を要するとしている。
●１０日めど通常生産
第一三共は高槻工場（大阪府高槻市）のフェンスや屋根が強風により損傷した。この影響で一部生産を停止しているが、１０日までには、ほぼ通常生産に戻る見通し。
●熱処理炉再稼働
東洋金属熱錬工業所（大阪市西淀川区）は本社・大阪工場が停電していたが６日１０時頃に復旧した。停電時には熱処理炉が停止していたが、順次再稼働を始めた。停電時もコンピューター回線などは自家発電で対応していた。
●岸和田工場点検
小泉製麻（神戸市灘区）は業務用繊維製品を製造する岸和田工場（大阪府岸和田市）で屋根が破損、停電した。雨漏りや電力の復旧による設備への影響などを点検し、順次生産を再開する見通し。
●操業見合わせ
東亜成型（大阪市西淀川区）は鋳造部品などを手がける本社工場の屋根が破損したが、生産設備などへの影響はない。ただ「停電のため５、６日と操業を見合わせている」（浦竹重行社長）という。
●フル操業できず
旭精工（堺市西区）は台風２１号の影響で本社・工場（堺市西区）敷地内で停電が発生。５日の２０時ごろに部分復旧したが、６日午前時点で必要電力の７０％の確保にとどまる。このためフル操業はできず、電力の回復状況をみながらの操業が続く。本復旧は１２日となる見通し。また本社・工場敷地内では工場の屋根に設置するルーフファンの破損やスレート屋根の損傷などの被害も一部であった。
●太陽光パネル被害
ミヤジマ（滋賀県多賀町）は建設機械や農業機械用のシャフト部品など鍛造製品を手がける本社工場で、生産設備などへの被害はなかった。ただ本社の近隣地に設置している、電力会社売電用の太陽光発電システムに使うパネルが「約２００枚のうち、５０枚程度が強風ではがれた」（宮嶋誠一郎社長）という。
●通常稼働
中原化成品工業（大阪市平野区）は樹脂の加工を手がける八尾工場（大阪府八尾市）では台風２１号による強風で、入り口シャッターが破損した。工場建屋や設備、人的被害はなく、５日から通常稼働している。
●成田発に切り替え
ハードロック工業（大阪府東大阪市）は関西国際空港から航空便で出荷予定だった緩み止めナット製品を成田空港発に切り替える手続きを完了した。一方、神戸港から船便で出すはずだった英国鉄道向けレール継ぎ目固定用ナットの一部出荷が、倉庫会社の浸水被害で滞っている。「倉庫会社の復旧状況次第だが一週間程度の遅れを見込む」（企画室）。
●輸送依頼が難航
サンコー技研（大阪府東大阪市）は受託生産するパワー半導体の放熱基板の劣化を防ぐため２５度Ｃ以下のクール便で輸送する必要があるが、普段利用する運輸会社の集荷場が台風で被災。別の運輸会社へ依頼したが調整が難航中。製品を数週間前倒しで生産し、早めの出荷体制をとり「運輸会社の空いている時期に合わせ対応してもらう」（田中敬専務）。
(2018/9/7 05:00)
