[ オピニオン ]

産業春秋/ノーベル賞に見る異分野融合

(2018/10/10 05:00)

今年のノーベル賞受賞者が出そろった。京都大学の本庶佑(ほんじょ・たすく)特別教授が生理学医学賞を受賞し、日本中が熱気に包まれた。

自然科学3賞を振り返るといずれも生命科学に関わっている。生理学医学賞が免疫を利用したがん治療薬の開発への貢献、物理学賞は細胞をつまめるレーザー技術、化学賞は生物の進化の仕組みをまねた、たんぱく質の製造手法だ。

かつて学術分野は細分化されていた。今では融合が進み、生物学、物理学、化学という従来の分野の境界もあいまいになりつつある。今回の受賞はその典型例と言える。

1962年に生理学医学賞の受賞テーマとなったデオキシリボ核酸(DNA)の二重らせん構造の発見はまさに異分野融合だった。3人の受賞者のうちジェームズ・ワトソン氏は生物学者だが、フランシス・クリック氏やモーリス・ウィルキンス氏は物理学者だった。DNA二重らせん構造の発見はその後の分子生物学の発展に大きく寄与した。

従来では考えられなかった物事の組み合わせが新発見につながることは多い。研究分野に限らず、大学や企業の組織連携、政治世界の人材配置など思いもよらない組み合わせからブレークスルーが生まれるのではないだろうか。

(2018/10/10 05:00)

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