[ 化学・金属・繊維 ]

先端材料技術展2018/最新のCFRP加工技術訴求

(2018/10/18 05:00)

先端材料と加工技術の展示会「SAMPE Japan 先端材料技術展2018」(先端材料技術協会、日刊工業新聞社主催)が17日、東京・有明の東京ビッグサイトで開幕した。展示の中心を占めるのが炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の加工技術だ。自動車や航空機、ロボットなどの幅広い業種に対し、軽くて強いCFRPの最新の加工技術を訴求。来場者も出展企業の熱心な説明に耳を傾けていた。

榎本機工(相模原市緑区)は、プレス能力315トンのスクリュープレスで、炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)のシートを高速成形する技術を紹介している。加熱装置で熱したシートをロボットで金型内に搬送する仕組みを採用。既存技術は成形に数分かかるのに対し、同社は冷却時間も含めて20秒に短縮した。自動車部品や家電部品などの成形を想定。同社の榎本良夫最高経営責任者(CEO)は「さらに成形時間を短縮し、10秒台を目指す」と力を込める。

タカイコーポレーション(岐阜県美濃市)は商社のコードー(東京都港区)を通じ、開発中のCFRP製ボルトを出品した。鉄製のボルトに比べて重量は5分の1程度と軽く、耐薬品性などの特徴も備える。「ファイバー・キープ・フロー成形」と名付けた、炭素繊維の長繊維を切断せずにつながった状態で成形する技術を開発し、ボルトの強度向上を実現した。飛行ロボット(ドローン)や半導体製造装置などの用途を見込む。

タジマ工業(名古屋市東区)は、炭素繊維を任意の方向に縫える産業用刺しゅう機「TCWM―101」を出展。アーチェリーのハンドル部分を想定した加工デモ(写真)を会場で披露した。部品などにかかる力の方向に沿って炭素繊維を使用することが可能になる。

JXTGエネルギーは、航空機用に開発した炭素繊維プリプレグの加工例として、ビジネスジェット級小型航空機のエルロン(主翼の後縁にある補助翼)の試作品を出品した。同プリプレグは難燃・高耐熱性のベンゾオキサジン樹脂を使用。試作品のサイズは約2×1メートルと、会場の中でも存在感を放っていた。

(2018/10/18 05:00)

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