技術開発力を研き、強靭な企業体質を実現―シンフォニアテクノロジー【PR】

(2018/11/15 05:00)

原点回帰、強固な経営基盤へ

  • 代表取締役社長 斉藤 文則 氏

井水 創業100年を迎えた2017年度に過去最高益を達成しました。経営改革の進展に確かな手応えを感じているのではないでしょうか。

武藤 好調なFA、半導体業界の設備投資や堅調な公共投資に支えられ、増収増益傾向を維持しました。前中計期間に中核事業や海外事業を伸ばしましたが、残念ながら目標には届かず、売上高は未達に終わりました。しかし、受注高は目標の1000億円を射程に捉えました。財務体質も改善しており、自己資本比率は40%近くにまで改善し、有利子負債残高も目標値を大幅に下回りました。今のところ業績は総じて順調で、社員の士気は高まっています。ただ、米国と中国の貿易摩擦など経営を取り巻く環境に不透明感がありますので、社内ではこのあたりでいったん落ち着き、基礎をもう一度見直そうと話しています。

井水 6月から新体制をスタートしました。斉藤社長に改めて経営トップとしての抱負をお聞きします。

斉藤 新中計「シンフォニアABC2020」を完遂することです。私は担当役員として草案から携わってきました。ABCのAはアグレッシブ、Bはベーシック、Cはクリエーティブです。前中計の反省を糧に、原点に立ち戻って取り組もうという思いを込めました。先進技術を活用した技術開発力のさらなる強化と強固な収益性、健全な財務体質の構築が中計の根幹です。積極果敢に独自技術を生み出し、より強靱な企業体質を築きたいと考えています。

  • SINFONIA ABC 2020(中期経営計画)

  • 基本戦略

  • 半導体製造装置向け搬送機器の工場

井水 中計の基本戦略についても教えてください。

斉藤 従来の中核4事業である「航空宇宙」「モーションコントロール機器」「クリーン搬送機器」「振動機器」に「エンジニアリング」を加えた5事業を柱に据え、経営リソースを重点的に配分していきます。グループ会社のシンフォニアエンジニアリングが半導体工場の搬送システム工事を手がけ、事業規模を急激に伸ばしており、さらなる成長が期待できます。また、引き続き海外事業の拡大にも取り組みます。中国、東南アジア諸国連合(ASEAN)を中心に、前中計で未達に終わった海外売上高比率30%に再度挑戦します。また、再生医療や自動車、半導体、航空宇宙、ロボットなど次世代技術・ビジネスの創出にも力を入れていきます。

井水 今中計では設備投資を大幅に積み上げるそうですが、具体的な中身を教えてください。

斉藤 3カ年合計で約160億円の設備投資を計画しています。これは前の3年間に比べて約1・7倍の水準に相当します。半導体や自動車、FA関連など好調業界に向けた製品を増産するほか、ベーシック(B)の方針にも通じますが、原点に立ち戻って生産設備を見直し、老朽設備の代替やロボット導入による生産性改善などを進めます。具体的には約16億円投じて豊橋製作所(愛知県豊橋市)に半導体製造装置向け搬送機器の新工場を建設します。IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)を使った品質管理の新システムも導入する予定です。

井水 海外売上高比率30%の旗を降ろさないということですが、達成に向けた成長シナリオをお聞かせ願えますか。

斉藤 半導体製造装置向けのクリーン搬送機器とモーションコントロール機器を中心に事業規模を広げ、製鉄・資源開発向けの振動搬送システムの受注増も目指します。中国には現在2工場を構えていますが、新たに天津市に電磁クラッチ・ブレーキ製品の第2工場を本格稼働し、お客様の増産要請に応えていきます。一方、2017年度に過去最高益を更新したタイの現地法人では、ASEAN統括拠点として機能強化を図ります。すでに技術者を配置し、ローカルニーズを製品開発へ迅速に反映できる体制を整えました。また、2014年に現地法人を設立した米国では、クリーン搬送機器に加え自動車用試験装置や自動車用クラッチなどの受注を伸ばします。

  • 代表取締役会長 武藤 昌三 氏

自動車・再生医療など新分野への挑戦

井水 技術オリエンテッド企業として、斬新な製品を次々に生み出してきました。次の成長の種を教えてください。

斉藤 昨年9月から日産自動車様に納入しているActiveTorque Rod(ATR)が「ニッサン・グローバル・サプライヤー・アワード20 1 8 ― イノベーション賞」を受賞しました。ATRはエンジン右上に設定しているエンジンマウント部品のトルクロッドであり、部品に内蔵したアクチュエーターを前後に制御することでトルクロッドの振動伝達特性を下げ加速時に車体へ伝わるエンジン振動を遮断するモノです。当社独自のレシプロモーターを応用し、直列4気筒ダウンサイジングエンジンでV型6気筒並の静粛性を実現しました。現在、鳥羽工場(三重県鳥羽市)で量産に入っています。

武藤 再生医療ビジネスも重点分野です。京都大学、近畿大学との共同研究で、画像認識技術で細胞の良否を判定し、近赤外線レーザーで処理する自動光学式不要細胞処理装置「CellQualia(セルクオリア)」を開発しました。再生医療実現のカギは、高品質の細胞をつくること。そのためには目的外の細胞に変化した細胞を適切に取り除くことは重要なプロセスの一つです。また、神戸医療産業都市推進機構と連携して、世界標準の薬事規制に対応したiPS細胞(人工多能性幹細胞)自動培養システムの開発を目指していきます。自前主義では限界があるので、オープンイノベーションで進めていきます。

成功体験の積み重ねが大切

井水 企業経営は「人財」育成が最重要課題です。武藤会長はかねて、将来のトップ人材を育てようと、ご自身の名前をもじって「昌下村塾」を主宰していますね。

  • 日刊工業新聞社 社長 井水 治博

武藤 教育は本当に難しい。社長候補の役員を育てるだけでなく、管理職の育成に一段と力を入れていきます。伊勢製作所(三重県伊勢市)、豊橋製作所、東京本社には「昌下村塾」の塾生が講師となる”子塾“をつくりました。人事部門が用意した教育カリキュラムを充実させるとともに、人が人を育てる仕組みも必要だと考えています。カリキュラムだけでは伝わらないことも多いのではないでしょうか。教える側にとっても言いにくいことを、はっきりと言う訓練にもなります。今後は一般社員を対象にした、新たな教育の枠組みも考えていきます。

井水 最後にお二人に計画実現に向けた課題や将来展望をお聞きします。

武藤 現状に満足するわけにはいきません。常に先を見る目が必要です。経営を語る上でよく「選択と集中」という言葉が使われますが、私は「集中」に重きを置いています。諦めずに続けてきた技術が芽を出し、企業理念に掲げる「一歩先を行く技術」を実現することもあるからです。大切なことは社員一同が工夫と改善に挑み続け、成功体験を積み重ねていくことではないでしょうか。

斉藤 2020年度に売上高1100億円、営業利益率9%以上を目標としています。これは達成しなければならない最低ラインだと考えています。2018年度は3ヶ年の中計の初年度です。スタートダッシュを決めるためにも、経営判断をより迅速化していきます。一方、リーダーとして社員のやる気や仕事への興味を一段と引き出したいと考えています。行動指針「SINFONIA―WAY」には「つなぐ心で行動する」ということが明記されています。社員とともに問題解決の道筋を考え、成功体験を共有したいですね。

(2018/11/15 05:00)

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