[ オピニオン ]

産業春秋/スバル不正の根底

(2018/11/14 05:00)

SUBARU(スバル)が自動車の完成検査の不正問題で揺れている。8日、1月から10月まで生産した約10万台をリコールすると国土交通省に届け出た。従来、不正は2017年末までだったと説明していたが、一転して不正が続いていたとして追加リコールした。

17年秋以降、データ改ざんなどの問題が相次いで発覚。一連の検査不正での累計リコール台数は約53万台になった。中村知美社長は「急成長の歪みが出た」と唇をかむ。

スバルは10年頃から米国を中心に世界販売を急拡大した。独自技術を訴求する手法を改め、その技術が実現する「安心と愉しさ」という価値やユーザーエクスペリエンス(顧客体験)を訴求。ブランド力を高めたことが奏功した。

「真面目だが地味な技術オタクが、個性光る人気者に脱皮した」といったところだろうか。しかし相次ぐ不正をみれば、真面目さが置き去りになったことは否めない。

あらゆる産業でハードウエアは成熟化が進み差別化が難しくなっている。スバルのようにブランドを磨いたり、競争軸をユーザーエクスペリエンスにシフトしたりすることは、多くのメーカーにとって検討すべき選択肢だ。ただ技術や品質の重要性はみじんも揺るがない。

(2018/11/14 05:00)

総合1のニュース一覧

おすすめコンテンツ

電験三種 合格への厳選100問 第3版

電験三種 合格への厳選100問 第3版

シッカリ学べる!3DAモデルを使った「機械製図」の指示・活用方法

シッカリ学べる!3DAモデルを使った「機械製図」の指示・活用方法

技術士第一次試験「建設部門」受験必修キーワード700 第9版

技術士第一次試験「建設部門」受験必修キーワード700 第9版

モノづくり現場1年生の生産管理はじめてガイド

モノづくり現場1年生の生産管理はじめてガイド

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン