[ オピニオン ]
(2018/11/22 05:00)
国内で圧倒的に多いファミリービジネス(同族経営企業)。日本は世界でも有数の長寿企業が多い国だ。長期的視点に立った経営を実現できていることがファミリービジネスの強みにつながっていると言える。
だが、こうした企業にきしみが生じている。本紙でも連日報道している事業承継問題だ。この問題を放置すると廃業が進み、2025年ごろまでに約650万人の雇用と約20兆円の国内総生産(GDP)が失われると経済産業省と中小企業庁が試算している。
長く市場に認められたファミリービジネスを次世代に引き継ぎ、さらに魅力的な事業で発展させるかが課題となっている。それには、経営者が事業承継の重要性に気づくことが必要だ。
経営者に「気づき」を与えるためのセミナーが各地で企画されている。22日に東京・丸の内で事業承継セミナーを開く税理士法人チェスター(東京都中央区)の荒巻善宏代表は「セミナーに参加し、次の一歩を進むきっかけにしてほしい」と語る。
ビジネスの環境が変わり、経営判断にスピード感が求められる。それだけに「事業承継なんてまだ先」では心もとない。引き継ぎは10年計画と言われるだけに、最初の一歩を踏み出す勇気を持ってほしい。
(2018/11/22 05:00)