[ 機械 ]

18年超モノづくり部品大賞/ものづくり生命文明機構理事長賞 ノリタケカンパニーリミテド

(2018/12/3 05:00)

マイクロナノバブル発生器

  • マイクロナノバブル発生器を手にする流体テクノ部の清水製品開発グループリーダー(左)と宮嶋研究開発センター次長

【手探りで開発】

マイクロナノバブルは直径1マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以下を含む極微小な気泡。液中に長く滞留し比表面積も大きいため、汚れの吸着、化学反応の促進、菌・藻類の成長促進など多様な効用がある。ノリタケカンパニーリミテドは同バブル発生器を得意の多孔質セラミックスで製品化した。

摩擦や熱、酸・アルカリにも強いアルミナ製で、長さ25センチメートル、外径12センチメートルの管状。空圧機器にも使う2・5気圧の低圧エアで同バブルが出せる。超音波や高圧などを使う従来主流の発生器と異なり、液体にストレスがかからず菌・藻類の培養や食品・飲料の処理に適する。小型、省電力で、はちみつのような高粘性の液体に使えるのも特徴だ。

2013年、宮嶋圭太研究開発センター次長はある展示会で機械式の同バブル発生器を見た。「これを多孔質セラミックスで作れないか」。同社には数百ナノメートル(ナノは10億分の1)台で細孔径を制御する技術があった。

部下と2人で始めた基礎開発は手探りだった。本当にナノレベルのバブルが出ているのか、その測定技術の確立から取り組んだ。2・5気圧で同バブルが出せる孔径、材料などの絞り込みと合わせに2年がかかった。

【製品化に着手】

15年にはエンジニアリング事業部流体テクノ部と共同で製品化に着手した。食品処理や化学反応促進、工作機械の冷却液処理など用途別に数え切れない種類の液体で実証を繰り返し、仕様を数タイプに絞った。

発売は16年6月。現在は20社以上に納入実績があり、100社近くから引き合いを受ける。切削液処理専用ユニットも11月に発売した。「日本国際工作機械見本市(JIMTOF)にも出品し、注目を集めた」と製品化を主導した清水友佑流体テクノ部製品開発グループリーダーは手応えを感じている。

【認知広める】

今後は同バブルの効用をユーザー予備軍にまず認知してもらう戦略だ。小型サンプルを用意し、窒素や二酸化炭素を小型ボンベから手軽にバブル発生器に供給できる調整器具も開発した。切削液処理用ユニットに続く複数の専用製品も準備中。一つひとつ用途開拓を進め、「19年度に年商1億円にし、将来は事業部にしたい」(宮嶋次長)と夢をバブルで終わらせない考えだ。(名古屋編集委員・村国哲也)

(2018/12/3 05:00)

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