【電子版】NASA探査機、小惑星「ベンヌ」に到着 来夏に試料採取へ

• 

  米航空宇宙局（NASA）の無人探査機「オシリス・レックス」（16年8月、フロリダ州のケネディ宇宙センター＝AFP時事）

【ワシントン＝時事】米航空宇宙局（NASA）の無人探査機「オシリス・レックス」が米東部時間3日昼ごろ（日本時間4日未明）、地球と火星の間にある目的地の小惑星「ベンヌ」上空に到着した。NASA探査機としては初めて小惑星から試料を採取し、2023年に地球に持ち帰る計画。太陽系や生命の成り立ちの解明につながることが期待されている。

　20年に小惑星「リュウグウ」から帰還する計画の日本の「はやぶさ2」とは「兄弟プロジェクト」と言える。調査主任ダンテ・ロレッタ・アリゾナ大教授は米メディアに「はやぶさ2とは（データ交換などで）協力し合うことになる」と話している。

• 

  米航空宇宙局（NASA）の無人探査機「オシリス・レックス」から撮影された小惑星「ベンヌ」（11月16日撮影、NASA提供＝AFP時事）

• 

  小惑星「1999 RQ36」（現ベンヌ）に接近する米航空宇宙局（NASA）の無人探査機「オシリス・レックス」のイメージ図（NASA提供＝AFP時事）

　ベンヌは小惑星の中では地球に比較的近く、直径約500メートル。ロレッタ氏は3日、ツイッターに「ついに到達した。探査を始めよう」と興奮気味に書き込んだ。

　スポーツ用多目的車（SUV）ほどの大きさのオシリス・レックスは16年9月に打ち上げられ、3日にベンヌの地表から約20キロメートルの高さに到達した。今後、各種観測機器で詳細に探査し、ベンヌへの接近を開始。サンプル採取に最適な場所を決定し、20年7月ごろに岩石の採取を予定する。23年に地球に帰還し、試料を収納したカプセルをユタ州の砂漠に落下させる計画だ。

　ベンヌは太陽系が形成された初期の約45億年前に近い状態を維持していると考えられている。