[ オピニオン ]

産業春秋/逢う魔が時

(2018/12/11 05:00)

車を約10年ぶりに買い替えた。燃費の改善にも驚いたが大きな変化は安全機能だ。車線逸脱防止や自動ブレーキなどは、こちらが認識していて意図的にする運転に「ピピピッ」と鳴るのには閉口するが、システムは少々おせっかいなぐらいがちょうど良い。

年末年始の準備でせわしい12月は年間で最も交通事故が多い月だ。時間帯のピークは通勤や通学で人が多く動く朝夕にあり、中でも死亡事故が突出するのが17時台から18時台。昼と夜が入れ替わる時間帯はドライバーが歩行者や自転車を認識しにくくなる。

古来、魔が蠢(うごめ)き始めると言われた「逢う魔が時」も「暮れ六つ」や「酉の刻」ともいい現在の18時頃。人の活動的な働きを支える交感神経とリラックスさせる副交感神経が切り替わるタイミングも夕方だとか。

災いを避けるようとの警告にも聞こえる逢う魔が時はまた、人生においても存在する。せわしなさか、世間を認知する目の曇りか。今年も大企業の不祥事が相次いだ。

役職員のコンプライアンス(法令順守)意識の徹底はもちろん重要だが、環境や心身の揺らぎに影響されない人は多くはない。車の安全機能なみに、おせっかいなほどの装置で二重三重に防ぐシステムが必要だ。

(2018/12/11 05:00)

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