[ オピニオン ]

産業春秋/二宮金次郎からの警鐘

(2018/12/18 05:00)

「二宮尊徳(金次郎)」と言うと、皆さんはどういったことをイメージするだろう。尊徳の実像はほとんど知られていない。「薪を担いで読書をし続け、勤勉に働き、立派な人になった。死後、明治天皇から従四位(じゅしい)を贈られた」ことぐらいだ。

実は課題解決型の金融業者で、600を超える個人、農村、そして藩を立て直した。その偉業をたたえ、爵位が贈られた。生活困窮層や農村を立て直した尊徳の手法は、「報徳仕法(ほうとくしほう)」と呼ばれる。

逸話がある。ある女中から個人的な生計を頼まれた尊徳は、まず低利で融資をした。そして、女中が飯炊きで使う薪を通常の5本でなく、木炭の再利用などの薪の有効活用など業務効率化で3本で済ませるよう提案。節約した2本を尊徳が買い上げる。女中は節約分の2本で得た金銭を貯め、借金返済とその後の資産形成が叶ったという。

さらに蓄財が始まった人々から尊徳は資金を借り入れ、生活困窮者や経営破綻状態にある農村を救済する元手とした。もちろん利息をつけて返済した。

報徳仕法とは、好循環の経済活動をつくりだす考え方だ。担保と保証に依存する現在の金融機関とは一線を画す。地域経済の持続可能性を見据えた尊徳からの警鐘が鳴り響く。

(2018/12/18 05:00)

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