[ 金融・商況 ]
(2019/2/7 05:00)
カナダの仮想通貨交換業者、クアドリガCXの創業者ジェラルド・コットン氏は、莫大な資産を記載した遺言書を死亡する12日前に提出していた。裁判所文書で分かった。
コットン氏が遺言書に署名したのは昨年11月27日。裁判所文書によると、同氏は全ての個人資産をジェニファー・ロバートソン夫人に残し、同夫人を遺言執行人に指名した。コットン氏の急死に伴い、クアドリガではビットコインなどの仮想通貨約1億9000万カナダ・ドル(約160億円)が引き出せなくなっている。同氏が使っていたパスワードが分からないためだ。
ノバスコシア州の裁判所は5日、クアドリガを相手取る訴訟の進行を現時点でストップさせる30日間の手続き停止を認めたと、カナダ通信(CP)が報じた。また、債権者からの資産保全も許可された。
13年12月に業務を開始したクアドリガは、利用者が同社のオンライン取引プラットフォーム経由で現金や仮想通貨を預け、ブロックチェーンの台帳に仮想通貨を保管できる仕組みを提供。アクセスには変更不能な英数字のコードが必須だ。裁判所文書によると、同社の登録利用者は36万3000人で、うち9万2000人は現金ないし仮想通貨で口座に残高がある。管理責任者はコットン氏1人だった。
ロバートソン夫人の宣誓供述書などによると、コットン氏は昨年12月9日にインドでクローン病の合併症で死亡。30歳だった。ノバスコシア州ハリファックス郊外に住んでいた夫妻に子供はいない。
コットン氏の遺言書には同州やブリティッシュコロンビア州にある複数の不動産、2017年型「レクサス」、航空機、ヨット、ペットの犬を含め多くの資産が記載されている。また同氏はマイレージのポイントなども夫人に残した。(ブルームバーグ)
(2019/2/7 05:00)