[ オピニオン ]

産業春秋/被災企業の心意気

(2019/3/11 05:00)

今年も復興の誓いを新たにする3月11日を迎える。東日本大震災が発生して8年が経過した。小紙は、震災直後から被災地の産業復興を報道し続けてきた。

先日、震災で被害を受けた2社を訪問した。アリーナ(福島県相馬市)は、高精密電子部品を生産する。建物などの被害を受けたが10日間で復旧。極小チップの超高密度狭隣接での実装技術を確立するなど注目を集めている。

震災後、売上高や人員は減ったが、取引先の支援や従業員の努力もあり黒字経営を続けている。高山慎也社長は震災について「忘れたいが半分、忘れてはいけないが半分」と心境を語る。

照沼勝一商店(茨城県東海村)は、自社農場でサツマイモを栽培し、干し芋を製造・販売する。1990年代後半の原子力関連施設の事故を受け、風評被害を払しょくするため畑の土壌づくりを追求。自然栽培で高品質な干し芋を供給してきた。

事業が軌道に乗りつつあった直後の震災。さらなる風評被害に直面した。5年前に新たな事業の柱を設けるためタンザニアに進出。照沼勝浩社長は「昨年から黒字になってきた。将来は欧州に輸出したい」と意気込む。2社を見て逆境に負けず前を向く被災企業の心意気を感じた。春はもう近い。

(2019/3/11 05:00)

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