[ オピニオン ]
(2019/3/12 05:00)
さる週末、私鉄に揺られて愛知県の焼き物で有名な街を訪れた。おいしいと評判のラーメン店に行った後、街巡りをしながら博物館を見学するコース。最初の目的地は、駅からタクシーで10分程度だ。
しかし駅にタクシーはいない。10分待っても来ないので、結局電話で呼んだ。駅にタクシーが待機していないのは盲点だった。配車アプリで予約しておけばスムーズに移動できたかもしれない、と振り返る。
乗り物によるサービス「MaaS」の議論が活発だ。海外では、移動手段の予約段階から目的地に到着するまでをカバーするサービスが生まれている。その土地の交通事情が分からない観光客に有効だ。
日本でも4月から、東京急行電鉄やJR東日本などが伊豆でMaaSの実証試験を始める。しかし「鉄道駅があるエリアは、自動運転やMaaSの実証試験に難色を示すこともあるようだ」とは、車関連メーカー幹部の言葉。各種の事業者が関わる中、ビジネスモデルについての課題は多いだろう。
とはいえ、MaaSの発展に最も重要なのはユーザー視点。普段、取材やメディアを通じて地方都市の課題や移動サービスの情報に触れるが、いち利用者として体験するのが一番有効だと身に染みた。
(2019/3/12 05:00)