[ ICT ]

【電子版】英ボーダフォン、ファーウェイの“バックドア” 10年前に認識

(2019/5/1 10:30)

  • ボーダフォンの関係者によると2009年以降、ファーウェイのルーターやゲートウェイで“バックドア”を発見し、脆弱性に対する対策を実施していたという(19年2月、スペイン・バルセロナ「MWC 2019」=ブルームバーグ)

 英通信事業者ボーダフォン・グループは、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)が数年前にボーダフォンのイタリア事業向けに供給した機器で脆弱(ぜいじゃく)さを発見していたことをブルームバーグに明らかにした。ボーダフォンは問題は解決済みと説明するが、中国を代表するテクノロジー企業、ファーウェイの評判はさらに損なわれる可能性がある。

 ブルームバーグが閲覧した2009年と11年のボーダフォンのセキュリティー関連文書および関係者の話によると、同社はファーウェイのソフトウエアに隠されたバックドアと呼ばれる抜け穴を発見した。ファーウェイは、ボーダフォンがイタリアでインターネットサービスを提供していた固定電話ネットワークに不正にアクセスできた可能性があるという。

 バックドア自体は開発者が管理目的で設けるため一部のネットワーク機器やソフトウエアでは珍しくないが、同時にハッカーに悪用される恐れがある。

 ボーダフォンからブルームバーグに寄せられた書面によれば、同社は11年にイタリアでルーターに脆弱さを発見し、同年にファーウェイと問題解決に取り組んだ。データが漏えいした証拠は一切なかったという。ボーダフォンはまた、12年にもイタリアでファーウェイが供給したブロードバンド・ネットワーク・ゲートウェイにも弱さを発見し、同年に解決した。

 ボーダフォンは「通信業界ではサプライヤーが供給する機器の脆弱さを事業者や第三者が発見することは珍しくない」と説明。「当社は安全性を極めて真剣に考えており、脆弱さがないかどうか独自に機器を検査している。もし問題を発見した場合はサプライヤーと協力して速やかに解決する」と述べた。

 ファーウェイは、対イラン制裁措置を無視し、ビジネスパートナーから通商機密を盗み出し、西側諸国に築き上げた通信網を通じて中国のスパイ行為を可能にする脅威を与えているとして、これまで何カ月もの間米国から疑惑の目を向けられてきた。一方、欧州は同社にとって中国以外では最大の市場で、ボーダフォンはこれまでファーウェイを擁護している。(ブルームバーグ)

(2019/5/1 10:30)

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