【電子版】英ブリティッシュ・スチール、22日にも破綻の恐れ 政府の追加融資次第で

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  ブリティッシュ・スチールのスカンソープ工場（19年5月、イングランド・リンカンシャー州＝ブルームバーグ）

【ロンドン＝ロイター時事】英鉄鋼第2位のブリティッシュ・スチールが経営破綻の危機にひんしている。政府が21日中に3000万ポンド（3800万ドル）の緊急融資に同意しなければ、22日にも管財人が選任される可能性がある。関係者が明らかにした。

　同社は英東部スカンソープを中心におよそ5000人を雇用。またサプライチェーンには2万人が依存しているという。

　政府高官は議会に対し同社側と協議中で「この産業を支えるため、あらゆる可能性を模索している」と説明した。また2016年まで同社を所有していたインド鉄鋼大手タタ・スチールとも接触していると付け加えた。

　ブリティッシュ・スチールは交渉は妥結していないが、事業の将来を守るために、あらゆる関係者と連携を取っていると発表した。同社を保有する投資会社グレイブル・キャピタルはコメントを控えている。

　欧州の鉄鋼メーカーは、近年経営環境が悪化している。自動車需要が伸び悩み、安価な輸入品が米国の関税に阻まれて流入している。特に英国では、世界的にも高額な環境税やエネルギーコストなどに加え、EU離脱をめぐる不安定な状況が追い打ちをかけている。