[ 機械 ]

産業・社会の基盤を担う 線材加工機と関連機器

(2019/7/16 10:00)

自動車、住宅市場が総じて堅調

 線材加工機は線材に塑性加工を施し、目的に合わせた形状、製品に導く各種機械。線材製品は自動車や産業機械、建築、医療など幅広い分野で部品や資材として使用されており、産業界だけでなく生活基盤としても社会に欠かせない役割を担っている。加工機メーカーでは、顧客企業の導入コスト削減に寄与する機械の長寿命化をはじめとした付加価値の向上や供給体制の改善に挑んでいる。

多様な用途に貢献

  • 線材の用途に合わせて各種加工機が活躍。写真は「4タンデム圧延ロール機」(アサヒ精機鉄工提供)

 加工機によって生み出された線材製品は幅広い用途で活躍している。鉄線やバネ、ネジ、クギ、ボルト、針金や傘の骨、ホチキスの芯など実にさまざまで、日常生活にも欠かせない。医療分野においても、カテーテルや歯列矯正のワイヤに利用されている。

 中でも自動車は主要な需要先で、エンジンや駆動系、足まわり部品など、自動車部品の多くに使用されており、自動車になくてはならない存在となっている。

 それに関わる自動車業界の市場は堅調だ。日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会集計の2018年の新車販売台数は、前年比0・7%増の527万2067台と2年連続で500万台に達した。自動車メーカー各社が発売した軽自動車や登録車の改良モデルの好調が反映されたと考えられる。

 自動車の生産に関わる工作機械関連の統計でも好調さの一端がみて取れる。日本工作機械工業会が発表した18年の工作機械受注実績(確報)は、前年比10・3%増の1兆8157億7100万円、2年連続で過去最高の記録に達した。

 もう一つの主要な需要先である建築・住宅市場では、不動産経済研究所が発表した18年の首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)のマンション供給戸数は前年比3・4%増の3万7132戸と2年連続で増加している。

 ただ、今後の先行きについては米中貿易摩擦などにより、景気への影響が危惧されるなど、不透明感が漂う。国内では19年10月に消費増税が予定され、増税に伴う反動減が懸念される。政府は自動車や住宅に関する減税措置などを盛り込んだ19年度の税制改正大綱を閣議決定したが、今後の影響が気になるところだ。

活躍する各種機械異形線で差別化を

 線材の加工にはそれぞれの用途に応じた機械が活躍している。回転するロールの間に線材を通し、圧力をかけて加工する圧延ロール機。ダイスと呼ばれる金型に通して細く引き伸ばす伸線機や曲げ加工に使われるワイヤフォーミングマシンなどがある。

 ほかに鋼線をよる撚線機やコイル状に巻かれた線材を矯正して任意の長さにそろえる直線切断機など、さまざまな加工機によって線材製品を生み出し、産業・社会の根幹を支えている。

 このうち伸線機では、加工機メーカーは、顧客ニーズに対応した異形線加工を主力としている。丸線では安価な海外製の加工機が多く利用されているが、異形線加工には高精度な品質が求められ、メーカーにとっては海外メーカーとの差別化が図れ、自社技術を発揮できる。

 異形線は丸線、角線といった形状ではなく、線材の断面に溝をつけるなど、特殊な形状に加工する。顧客に対応し、任意な形状にできる差別化で機械の付加価値を高めている。

そのほか加工機メーカーでは、需要の創出・開拓に向け、顧客の要望以上の機能を加えた機械の提案や供給体制の改善に取り組んでいる。

 ある加工機メーカーでは顧客の要望に加え、加工機の連続運転や長期使用の向上を目的に圧延ロール数を増やして製品設計するなど、提供する機械の寿命を予測よりも延ばす試みを行っている。

 また国内の部品メーカーの減少により、一部の部品調達が難しい状況が課題となっている。この影響で機械の引き渡しがずれることを考慮し、海外の日系メーカーから調達するなどの動きも出始めている。

→ MF-TOKYO2019特集

(2019/7/16 10:00)

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