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令和のことのは(2)山川邸(茨城県古河市) 水運交通の要衝、新たな往来

(2019/8/14 05:00)

広大な屋敷林に囲まれた、茨城県古河市の古民家「山川邸」。山川邸の保存に協力する地元の郷土史家、山田直弘氏は「以前は悲しげに響いていた床のきしみ音が、農業体験などのイベントで多くのゲストと触れ合ううちに、最近では喜んでいるように聞こえる」と語る。

  • 再生した古民家が人と地域をつないでゆく

  • 日本の気候風土を考えた伝統構法で建てられた建築物は耐震・免震にも優れている。人と触れあうことで建築物は生きているかのように元気を取り戻す

山川邸の保存に関わる茨城県古民家再生協会は、古民家や蔵を活用した観光街づくり「古河市農泊プロジェクト」を展開している。2018年10月には古河市や企業と、観光産業を活性化する協定を結んだ。訪日外国人が増える中、山川邸は人気の施設だ。

  • 埼玉県加須市と茨城県古河市をつなぐ三国橋。掛けられた当時は現在の三国橋より上流に造られた船橋で江戸期までは船渡しだった。下総国と下野国と武蔵国を結ぶ河上交通場所であったことから三国橋と名付けられる。昭和30~40年ごろまでは舟運の名残を見ることができた。(写真:大正元年頃に撮影された三国橋の写真を使って許我(古河)と水運、山川邸の関わりについて説明する郷土史家の山田氏。)

  • 渡良瀬遊水地の谷中湖南西にある、栃木県と群馬県と埼玉県の3つの県が交わる場所を3県が「歩いて行ける3県境」として整備。観光資源として活用されている。

古河の地名は、令和の典拠である万葉集に「許我(こが)」として、二首が詠まれている。

古くより水運交通の要衝として人と人、地域をつないで発展したこの土地で、古民家、農泊をキーワードに新しい往来が始まっている。

  • 「古河志」1830年頃、古河藩士・小出重国(こいでしげかた)によって著された古河藩地誌。万葉集の歌の引用を見ることができる(山田家所蔵写本)

  • 古河駅前に建つ「万葉古河の歌碑」 

「逢はずして 行かば惜しけむ 麻久良我の 許我漕ぐ船に 君も逢はぬかも」万葉集 巻14-3558

【意味】あなたと逢わずに行ってしまったら心残りだろう。まくらがの古河を漕ぐ渡し舟であなたにお逢いできないものかなあ

(写真・文=編集委員・木本直行)

(2019/8/14 05:00)

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