産業春秋/大学ハラスメント

(2019/12/23 05:00)

大学は学問の自由を保証するため自治を守ってきた。だがそのことで外部のチェックを受けにくく、ハラスメント(嫌がらせ)が、よほど大きな問題でなければ表面化しづらかった。

近年、大学でもセクハラやパワハラなど多くのハラスメントが話題になっている。何がきっかけで訴えられるか、学生を担当する教員は恐れているかもしれない。

かつて大学内では教員から学生への長時間の説教や、人格に言及する発言はハラスメントであると認識されなかった。さらにハラスメントの事実を別の教員に相談しても、隠蔽(いんぺい)されるケースもあったようだ。学生は教員や組織を信用できず、いきおいネットで炎上騒ぎとなり発覚する。

今では大学もコンプライアンス(法令順守)を重視し、教員へのハラスメント研修を実施している。ある大学の助教は研修の講師から「あなたたちプロの研究者と同じ能力を学生に求めることはハラスメントにつながる」と言われ、驚いたという。

パワハラの中には教員が良かれと思い、厳しく指導する事例もある。指導かパワハラかの境界は人と人との信頼関係にあるが、叱責されて喜ぶ学生はいない。教員は成長を長い目で見守る忍耐強さを学んでもらいたい。

(2019/12/23 05:00)

総合1のニュース一覧

おすすめコンテンツ

電験三種 合格への厳選100問 第3版

電験三種 合格への厳選100問 第3版

シッカリ学べる!3DAモデルを使った「機械製図」の指示・活用方法

シッカリ学べる!3DAモデルを使った「機械製図」の指示・活用方法

技術士第一次試験「建設部門」受験必修キーワード700 第9版

技術士第一次試験「建設部門」受験必修キーワード700 第9版

モノづくり現場1年生の生産管理はじめてガイド

モノづくり現場1年生の生産管理はじめてガイド

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン