社説/相次ぐ大型展示会中止 オンラインで商談の進化を

(2020/6/25 05:00)

ウィズコロナ時代を踏まえ、新たな商談のあり方を考え、実践する時だ。

新型コロナウイルス感染症の影響で、全産業が商談の制約を受けている。東京五輪・パラリンピック開催の1年延期もあり、起死回生の機会と期待された今秋以降の大型展示会も軒並み中止や延期となった。一方、オンラインで技術や製品をPRする動きも本格化している。

展示会の意義は大きい。関係者が一堂に会し最新の製品や技術、サービスを披露するため情報収集や商談の効率が高い。各展示内容を同時に見せることで今後の技術や市場のトレンドもうかがえる。

その展示会が当面は開かれない。国内最大の展示場である東京ビッグサイト(東京都江東区)は、例年約300の展示会が開かれる。しかし3―6月は緊急事態宣言もありゼロ。五輪の1年延期や、コロナ感染への懸念から7月以降も予断を許さず、2年に1度のビッグサイト有数のイベント、12月の日本国際工作機械見本市(JIMTOF、日本工作機械工業会主催)も中止が決定した。

一方、オンラインで新技術や新製品をPRする動きが広がっている。クボタは農業機械のオンライン展示会のウェブサイトを開設した。工具メーカーのOSGは7月1日にオンラインショールームを開く。デンソーウェーブ(愛知県阿久比町)は7月にオンライン展示会を世界同時開催し、リアルタイムでロボットの実演などを配信する。

いずれもリアルな展示会と同様に説明員が来場者とやりとりし、日頃の困りごとの相談にのる。JIMTOFが中止となった工作機械業界の各社もオンライン展示会を企画中だ。

来場者はオンライン展示会に最初は身構えるかもしれない。しかし、大切なのは技術や製品の中身であり、来場者との出展者の情報交換の密度だろう。オンラインなら交通費や宿泊費も不要で、世界中から参加できる。単なるリアルの代替ではなく、商談のあり方を進化させ、顧客と“密”なコミュニケーションを目指そう。

(2020/6/25 05:00)

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