産業春秋／シーテック・オンライン

秋は展示会のシーズン。しかし大規模な集まりは、いまだに難しい。そんな中で完全オンライン開催に挑戦したのが「シーテック」だ。

超スマート社会・ソサエティー５・０の総合展示会を掲げるだけに「なんとしても中止は避けたい」と関係者。ニューノーマル社会の多様なソリューションやテクノロジーを発信している。関心の高さからか２０日の開幕直後はアクセスが殺到、一時入場制限をする事態も。

出展した技術や製品から選ぶ「シーテックアワード」も例年通り実施。最高位はスーパーコンピューター「富岳」（富士通・理化学研究所）と、がんの超早期発見で注目された「マイクロＲＮＡ検出技術」（東芝）が受賞した。

出展内容では、ＩＣＴを活用したソーシャルディスタンスの確保が目立つ。他にも印象的なのは、振動などを利用した超小型発電がいくつもあること。給電レスでセンサーを分散するなどの使い方が考えられ、ＩｏＴ（モノのインターネット）の進展を予感させる。

実物に触れられないのは残念だが、いくつもの展示をスムーズに渡り歩ける便利さは悪くない。会期は２３日まで。以後もオンデマンドで展示が見られるのも、オンライン開催のメリットだ。