産業春秋/3度目のトラブル

(2021/3/3 05:00)

「三人寄れば文殊の知恵」「早起きは三文の徳」―。数字の三にちなんだ故事や慣用句はたくさんある。三には単に3番目というだけではなく、短いと、長いの両方の意味があるからだ。

短いの代表例は「三日天下」や「三日坊主」。これからの季節なら「三日見ぬまの桜」というのもある。長い意味の使い方なら「石の上にも三年」「三つ子の魂百まで」などだ。

「二度あることは三度ある」を実現させてしまったのが、先週末に発生したみずほ銀行の現金自動預払機(ATM)の障害。同行は過去に2度の大きなシステム障害を起こし、今回が3度目のトラブルだった。ATMにキャッシュカードや通帳が取り込まれるなどの被害が5244件発生した。

週末に何時間もATMの前で待たされた客が多数いた。銀行も過去の反省からシステム構築には万全の対応で臨んでいたはずが、月末作業の想定量を見誤り、その後の顧客対応でも失敗を重ねた。

金融庁は今回の事態を重くみて同行に報告命令を出す方針。原因究明を徹底し再発防止策をしっかり示す必要がある。三度目が短い意味となるかそれとも今後も長く続くのか。「仏の顔も三度まで」であるのは言うまでもない。

(2021/3/3 05:00)

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