産業春秋/トヨタ技監の想い

(2021/5/12 05:00)

トヨタ自動車が静岡県裾野市に作る実験都市「ウーブン・シティ」にENEOSが水素供給インフラを構築する。このニュースに触れ、ある人を思い出した。トヨタの元技監、渡辺浩之氏だ。

1990年代後半のある日、ハイブリッド車(HV)の開発動向を聞こうと、専務だった氏の自宅を訪ねた。HVは二酸化炭素(CO2)削減と排ガス対策の切り札と言われていた。だがほどなく話題は水素に変わった。

「本当に目指すべきは水素社会。全国の各家庭に水素パイプラインを巡らせ自宅の燃料電池で発電する。車も燃料電池車。水から作る水素は無限で、うまくすれば完全にCO2フリーにできる」。

さらに「これ以上気温が上がると北極圏の氷が溶け低い都市は水没、日本は亜熱帯になり巨大台風に襲われる。もし阪神大震災が原発近くで起きたら…。災害に強いインフラは地下パイプライン、都市ガス網を利用できる」。

貴重な話も十分に理解できず記事にしなかった。その後、氏はITSジャパンの会長となり高度道路交通システムの普及に尽力、16年に73歳で亡くなった。酒を愛した九州男児、今回のニュースに「遅いぞ」なのか「ここまで来たか」なのか聞いてみたい。

(2021/5/12 05:00)

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