産業春秋/地震防災の知の融合

(2021/9/27 05:00)

 地震工学分野で最大規模の国際会議『第17回世界地震工学会議』がきょうから仙台市で開催される。日本での開催は33年ぶり。コロナ禍で1年遅れて行われる。

 参加者はオンラインも含め国内外合わせ約3000人に上る。分野は建築や土木、地震、医療、社会科学などの研究者、機械や免震・制震のエンジニアなど多岐にわたる。コロナ禍で調整に腐心された関係者に敬意を表したい。

 「地震防災について最先端の研究成果を発表するだけでなく、今回は中長期のテーマを本気で議論する場にしたい」。国際地震工学会副会長で東大生産技術研究所教授の中埜良昭さんは、分野横断で取り組めるテーマ設定の重要性を強調する。

 主要課題はICTやIoT(モノのインターネット)、人工知能(AI)、衛星などを使いこなし、社会全体でいかに安全性を担保できるかにある。イタリアで開かれる次回の会議につながるテーマを抽出し、次世代に役立つ議論のスタートラインにしてほしい。

 惜しむらくはコロナ禍で東日本大震災の被災地視察ツアーが中止になったことだ。「海外の人に被災地の風やにおいを感じてもらいたかった。百聞は一見にしかずなのに」と中埜さんは残念がる。

(2021/9/27 05:00)

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