社説/緊急事態宣言を全面解除 感染「第6波」想定し早期対応を

(2021/9/29 05:00)

経済活動の本格的な再開へ、これからが真の正念場だ。感染第6波の到来を想定し、周到な準備を進めたい。

政府は28日、新型コロナウイルスの感染拡大で発令した全国19都道府県への緊急事態宣言、8県へのまん延防止等重点措置の30日での全面解除を決定した。新規感染者、重症者とも着実に減少しており、解除の目安をクリアしたと判断した。

ワクチン接種効果と国民の感染防止への基本的な取り組みが奏功したと言えよう。解除に気を許さず、接種比率を高め、新規感染者をさらに減少させていかなければならない。

休業や時短営業を余儀なくされた飲食店や、観光客の途絶えた地方の宿泊関連事業者にとっては朗報だ。感染対策の第三者認証を得た飲食店は午後9時まで営業を認め、酒類の提供も可能とする。時短要請は残るものの緩和への第一歩だ。

政府はワクチン接種が国民に行き渡る時期を目途に、接種証明や陰性証明の提示で、大規模イベントや遠方への出張や旅行を可能とする「ワクチン・検査パッケージ」を導入する。

経済活動を活性化するカギともなる。具体的な対応方法をあらかじめ国民に周知し、混乱や不公平が起こらない仕組みを講じてもらいたい。

冬には感染拡大が再発することを想定し、今から万全な準備を進めたい。入院できずに自宅で亡くなる事態は二度と起こしてはならない。重症化前の段階で確実に治療が受けられる体制作りが何よりも重要だ。

軽症・中等症向けの治療薬も複数承認された。また、検査を自身で行える医療用の抗原検査キットの薬局での販売も始まる。企業や学校など集団で活動するところに検査キットを配備する。早期に感染を確認し、早めに治療ができれば、新型コロナを季節性インフルエンザと同等の扱いとする道も開ける。

きょう自民党の新総裁が誕生する。緊急事態宣言解除に安住することなく、感染対策へ動きださなければならない。国民に丁寧に説明し、合意と理解を得るのが最初の仕事だ。

(2021/9/29 05:00)

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