社説/衆院選、自公で過半数確保 経済再建へ早急に着手せよ

(2021/11/1 05:00)

国民は岸田文雄政権の継続を選択した。しかし、与党で失った議席数を直視すべきだ。政権が主張する政策の持続可能性に国民は不安を覚えている。責任ある与党として、課題解決への道筋を丁寧に説明し、理解を得る努力を怠ってはならない。生活の安定と経済立て直しに直ちに取り組んでもらいたい。

まずは新型コロナ感染症対策と苦境にある世帯や企業への支援策を中心とした補正予算の早期成立と、コロナ後を踏まえた社会構造の変革を加速させる2022年度予算の編成である。

3回目のワクチン接種、検査の拡充と経口治療薬の実用化を急ぎ、感染第6波が到来しても医療崩壊を招かない体制を整えなければならない。同時に接種証明を活用し、感染が一定規模で拡大しても経済活動を継続できるようにすべきだ。

困窮世帯への現金給付は実施すべきだが、18歳以下の子どもに一律10万円を給付する案には慎重であるべきだ。国民は目先のバラマキより、財政健全化を含めた国の将来の持続可能性にこそ関心がある。

岸田政権は現在の陣容で新政権に移行する。首相が掲げる「成長と分配の好循環」の実行が問われる。「新しい資本主義」「分厚い中間層の再構築」の具体策を示してもらいたい。

雇用の7割を担う中小企業が、新陳代謝をしつつ成長し、安定した雇用と給料を引き上げられる状況を生み出すことが、好循環実現のカギを握る。ここに施策の重点を置くべきだ。

同時にデジタルやグリーンといった成長分野への投資とイノベーションを加速させ、その恩恵を地方の活力増強に結びつける強い指導力が重要だ。

野党は全体で議席数は増えたものの政権奪取には至らなかった。主義主張が異なる野党間での選挙協力への国民の疑問を拭えず、与党批判に終始する姿勢が受け入れられなかった。政策面で競い合える野党がいてこそ政治は成熟する。国会でその姿を示してもらいたい。

経済再生には一刻の猶予もない。政権維持に安住せず、きょうから動きだしてもらいたい。

(2021/11/1 05:00)

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