第47回発明大賞、受賞製品・技術のポイント 発明奨励賞

(2022/3/7 05:00)

発明奨励賞(50音順)

車いす片手駆動用キャスター補助デバイス=佐藤義文氏

 車いすの直進性と操作性を向上させ、障がいがあっても車いすの操作が容易になるようにする。このデバイスを取り付けることで、普通の車いすでも片手でこぎやすくなり、直進走行も方向修正もしやすくなる。従来は直進性向上のためにキャスターをロックすると取り回しが困難だった。取り付けも簡単で、伸縮素材のストレッチバンドで、車いすのフレームとキャスターのフェンダーをそれぞれリング状に固定する。(札幌市中央区)

発明奨励賞

高透光高強度ふっ素樹脂製膜材料=中興化成工業(松浦開発4課・山口雄斗ほか1人)

 メッシュガラスクロスとふっ素樹脂のETFEを複合させた、建築物屋根や天井、内装など向けの従来より高い透過率を持つ建築用膜材。ETFEフィルム単体に比べ、高い耐久性と機械強度、寸法安定性を実現した。屋外での耐候性にも優れる。織布、二酸化ケイ素を含む組成物層と光透過性樹脂で構成。二酸化ケイ素が両層の接着性を向上させ、剝離現象や吸水現象などを抑えることができる。(中興化成工業=東京都港区)

発明奨励賞

エネルギー変換ロスを大幅削減可能な電動機及び発電機=成田(代表取締役・日下部清成氏)

 ディテントトルク(コギングトルク)を低減させ、高効率を実現。磁極の反発作用が起こるのと同時に吸引作用を行うトルクのバランスで、回転しながら高トルクを直に出力することで、負荷がかかっても高効率を維持でき、熱損失を低減した。電動機と発電機を組み合わせたモデルでは、実際の使用効率85%を達成。電圧制御により幅広い回転数・トルク数に対応する。加速レスポンスも高く、冷却機も不要だ。(成田=大阪府枚方市)

発明奨励賞

強度の高い竹入り直交集成材=バンブーケミカル研究所(代表取締役・鶴羽正幸氏)

 従来の木質100%の直交集成材に部分的に竹板を組み込んで強度を高めた建築材料。木質の繊維方向と竹質の繊維方向が互いに平行となるように接着することで、厚みを薄くしても全方向の強度を確保し、幅広い用途に使える。寸法安定性、耐震性や断熱性に優れる。竹素材の持つ強靱(きょうじん)性を取り入れただけでなく、竹の抗菌性や耐腐食性、消臭性も生かした。竹資源の有効活用にもつながる。(バンブーケミカル研究所=徳島県阿南市)

(2022/3/7 05:00)

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