リケジョneo(209)日本板硝子・立井佑果さん

(2022/12/26 05:00)

工場出張、仕事の理解深め

総合1から続く)大阪大学大学院基礎工学研究科では光化学を専攻し、レーザーで分子の反応機構を調べる研究をしていました。大学の研究が直結しているわけではありませんが、コーティングによって自動車用ガラスに紫外線(UV)や赤外線カットの機能を施す今の仕事も光に関係しています。

ロボットを使ってコーティング剤の効率的な塗布方法を検討したり、より基礎的な研究としてコーティング剤の材料を開発したりもしています。並行して行っている材料開発を一時中断してまで、コーティングの量産条件を短期間でいくつも決めなくてはならない時は大変でした。一方で、毎月工場へ出張し、営業や製造などの部署とやりとりすることによって、社内の各部署がどのような考えで仕事を進めているのかが分かったような気がします。

ガラスには学生のころから惹かれていましたが、大学ではあえて基礎的な研究分野を選びました。社内でも大学時代からガラスを研究してきた方が多いと感じます。その中で量子力学など物理化学を専門に学んできたことを、いつか生かすことができたらうれしいです。コーティングも楽しいですが、ガラスそのものの研究にも興味があります。

技術研究所(兵庫県伊丹市)には女性技術者はおりますが、相模原事業所内の輸送機材技術領域に女性技術者が配属されるのは珍しいようです。当初は重いガラスを持ち上げるのも一苦労でしたが、今ではすっかり慣れました。仕事はある程度の自由度を持ってやらせてもらっていますし、困ったときは先輩や上司が相談に乗ってくれます。

まずは自分が自信を持って仕事ができるようになり、いずれは後に女性が続くようになったらいいなと思っています。コロナ禍なので、週末はオンラインで大学時代などの友人たちとたわいのない話で盛り上がっています。(文=藤木信穂、写真=木本直行)

◇日本板硝子 研究開発部 日本統括部 輸送機材技術領域 立井佑果(たちい・ゆか)さん

(2022/12/26 05:00)

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