通勤しやすさ追求し女性比率7割 カワトT.P.C.、駅近隣に加工拠点

(2023/10/4 12:00)

カワトT.P.C.(山口県岩国市、桐田直哉社長)は、従業員の7割を女性が占める。従業員の意向によって正社員からパート社員、パート社員から正社員への変更を可能にするなどの柔軟な働き方を採用。さらに駅近くの商業施設内など従業員が通勤しやすい場所に加工センターを設けているのも、女性比率が高い要因となっている。

  • 計5カ所ある加工センターでは多数の女性が働く

カワトT.P.C.はマンションやビルなどで使うプレハブ配管システムを生産する樹脂加工事業部、住宅設備向けの水栓金具など金属加工のテクマック事業部の2事業を展開する。「企業は地元の雇用の為(ため)だけにある」という経営理念の下、採用を続けてきた。現在の従業員は約420人。このうち73%が女性という。

本社工場はJR岩国駅から車で30分ほどの場所にある。本社周辺での採用には限界があり、開設したのが樹脂加工事業部の加工センターだ。山口県岩国市に4カ所、千葉県に1カ所の合計5カ所開設した。JR岩国駅近くの商業施設内や住宅地など従業員にとって通勤がしやすい場所に設けている。

  • タブレット端末などを活用し各工程の作業を効率化している

加工センターと本社などは光回線で結んでおり、プレハブ配管システムの作製に必要なデータなどを共有する。人工知能(AI)も活用し「自動でパイプをカットするなど経験がなくても作業が可能」(桐田社長)という。

今後は樹脂加工事業部で培った遠隔地生産のノウハウをテクマック事業部でも活用する。製造工程をほぼ無人化した金属加工の工場を中国地域に3拠点新設する計画だ。2024年3月までに1拠点、25年3月までにさらに2拠点設ける。新工場の社員の勤務時間は1日2時間で「農業や林業などに従事する人も勤務可能」(川戸俊彦会長)にする。

中山間地域は農業などの1次産業が産業の主力。だが、人口減少と高齢化が大きな課題となっている。副業として製造業の就業機会を創り、地域の活性化にもつなげる。

また、約10年前から障がい者を採用している。支援学校の春休みや夏休みに仕事を体験してもらい、入社後は健常者と同じグループで仕事をするという。今後も多様な人材が働きやすい環境を創出する方針だ。

(2023/10/4 12:00)

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