インタビュー/木村精工専務・木村吉孝氏 自社製品開発で社員の成長機会創出

(2024/8/7 12:00)

木村精工(金沢市、木村修二社長)は、多品種少量の金属精密部品の加工を得意とする。難易度が高い銅加工も30年以上の実績を持つ。ノズル加工では鋭角なテーパー加工や口径0・8ミリメートルの微細穴加工も対応できる。木村吉孝専務に品質の維持・向上のための取り組みや社員との向き合い方について聞いた。

―精密部品加工のために取り組んでいることを教えてください。

「工程設計のために3次元(3D)プリンターを活用している。複雑な形状の製品を樹脂で確認する。3DCAD担当の社員がモノづくりに携わるきっかけにもなっている。この社員にコンピューター利用設計・製造(CAD/CAM)を習得させ、1―2年以内に複雑な形状のプログラムを作成するという運用を始めたい。担当者も2人体制にしたい」

―独自製品の開発にも力を入れています。

「マシンバイス用ハンドルは約5年前に特許を取得した。社員が仕事に誇りを持つには部品だけでなく、自社製品があると良い。家庭で使われる民生品も分かりやすい。石川県や富山県の企業からの依頼で、アロマオイルを楽しむための商品や照明器具の部品も手がけている。このほかJR加賀温泉駅に設置するモニュメントの部品も製作中だ」

―社員の能力向上や人材確保のために取り組んでいることは。

「社員の能力を高めるには新しい仕事を増やすしかない。新人は加工の場数を踏むことが大事で、中堅社員は工程や使用工具を見直すという工夫が求められる。そうしたシチュエーションを提供することが会社の役割だ。社員は経験者・未経験者別や、男女別に求人票を分けて中途採用の募集を行っている。仕事に男女差がないので女性社員をもっと増やしたい。家庭の事情に配慮して、女性向けの求人票に時短勤務も可能と明記している」

―今後、取り組んでみたいことは。

「BツーC(対消費者)向けの製品をやりたい。デザイン会社と話をしながら、自社の技術を使って何ができるかを検討している。大量消費される商品ではなく、欲しい人が買い求めるようなプレミアム感のある商品を当社の設備を活用して作ってみたい」

(2024/8/7 12:00)

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