産業春秋/AI科学者は大発見の夢を見るか?

(2024/9/2 05:00)

研究にまつわる全プロセスを人工知能(AI)で完全自動化する「AI科学者」の論文が内外で話題になっている。英オックスフォード大学などと共同成果を発表したのがサカナAI(東京都港区)だ。

このAI科学者、新しい研究アイデアの生成から文献検索、実験の設計・実行、結果分析、論文執筆という一連の作業をこなす、いわばAIエージェント。人間に近い精度で作成論文の査読まで自動化し、研究の継続的な改善に役立てられる。

発表論文では機械学習の3テーマについて実証を行い、使用した大規模言語モデル(LLM)ごとの対比も試みた。内容に欠陥はみられるものの、機械学習のトップ学会での受け入れ基準を上回る論文を書き上げ、各アイデアの実装コストも論文当たりわずか15ドル未満という。

外部の分析装置やロボットと連携させれば、ゆくゆく幅広い研究に応用可能との見方もある。とはいえ課題も多い。エラーやバイアスのほか有害ウイルスや毒物を作り出さないとも限らず、しっかりした管理体制や倫理基準が不可欠になる。

併せてAIが研究を担う時代に備え、独創的な発見をいかに成し遂げるか、人間の科学者の役割も再考が必要かもしれない。

(2024/9/2 05:00)

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