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[ 自動車・輸送機 ]
(2017/2/2 05:00)
三菱重工業は今夏にも、自動車用ターボチャージャー(過給器)生産の完全自動化に向けた実証に乗り出す。主力拠点の相模原工場(相模原市中央区)にモデルラインを導入。部材の供給にロボットを活用するほか、目視検査には画像処理システムを整備する。自動化による生産性改善で、国内生産を維持するとともに、柔軟な増産体制を構築する。国内拠点の高度化などにより、2020年度に出荷台数1200万台(15年度705万台)を目指す。
三菱重工の過給器事業は、グループ会社の三菱重工エンジン&ターボチャージャが担う。同社相模原工場では、過給器の心臓部であるカートリッジの加工・組み立てや過給器本体の最終組み立てを手がける。
複数あるカートリッジの生産ラインの1本に、ロボットや画像処理システムを導入。完全自動化のモデルラインに改良する。完全自動化で24時間稼働も可能になり、ラインの増設なしに柔軟な増産体制が構築できるとみられる。
相模原工場ではIoT(モノのインターネット)による設備の稼働監視や予兆診断、検査の合理化などを進めている。今回の実証で完全自動化のめどがつけば、相模原のすべての過給器ラインに導入する考え。
過給器市場は米ハネウェル、同ボルグワーナー、三菱重工、IHIの4強がしのぎを削り、三菱重工の世界シェアは20%程度とみられる。各国で自動車の燃費改善目標が強化されており、過給器の搭載率は急増している。
(2017/2/2 05:00)