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三越伊勢丹HD、再起なるか−“原点回帰の店づくり”、地方でテナント誘致視野

(2017/5/16 05:00)

  • 飲食などの新規事業は相乗効果が望める案件に絞る(新宿駅南口に4月開業の「新宿ボックス」)

4月1日付で就任した杉江俊彦三越伊勢丹ホールディングス(HD)社長は、大西洋前社長(現取締役)が進めた、事業多角化で成長を目指す路線を、「拙速だった」と真っ向から否定する。今後2年間は不採算事業の整理を優先し、退職金の上乗せで社員の早期退職も促す方針で「企業としてシュリンクする」考えだ。杉江社長の就任から1カ月あまり。再起に向けた胸の内にあるのは「原点回帰の店づくり」だ。(江上佑美子)

【一刀両断】

「200近くの新規プロジェクトが進み、本業が不十分になった。経費コントロールもできていなかった」。杉江俊彦社長は反省点をこう語る。三越伊勢丹HDは2016年以降、エステ会社や旅行会社を買収。4月には表参道や新宿でレストランやカフェを開くなど、新規事業を拡大してきた。

近年、主力店である伊勢丹新宿本店(東京都新宿区)は「ファッションミュージアム」、三越日本橋本店(同中央区)は「カルチャーリゾート百貨店」、三越銀座店(同)は「最旬グローバル百貨店」といったキャッチフレーズを掲げてきた。これについても「分かりづらい」と一刀両断。新宿本店はファッション重視、日本橋は富裕層に特化するなど、原点回帰の店づくりを進める方針だ。

同業のJ・フロントリテイリングや高島屋は、不動産業で収益を得る構造に転換しつつある。杉江社長も地方郊外店にはユニクロやニトリなどを誘致する可能性を示唆する。

【迷走収める】

日本だけではなく、米国ではメイシーズなどの大手百貨店が大規模閉店を余儀なくされている。インターネットを通じた電子商取引(EC)の台頭も、向かい風の大きな要因。野村総合研究所(上海)の劉芳コンサルタントによると、巨大市場の中国でも「ネットの影響を最も受けたのは百貨店」と指摘する。「16年には中国初の百貨店『王府井百貨』が社名から“百貨”を削るなど、業態にしがみつかなくなっている」という。

杉江社長は12年から社長就任まで、大西前社長のもと、三越伊勢丹HDの取締役経営戦略本部長を務めてきた。ただ、新たな経営方針について大西前社長には諮らず、「新体制で決めた」という。

10日に発表した17年3月期連結決算は減収で、営業利益段階から減益だった。18年3月期連結決算業績予想も営業益から減益の見込みで、13時の発表直後の株価は急落した。“迷走”を収めることができるか、杉江社長の手腕が問われる。

(2017/5/16 05:00)

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