[ 科学技術・大学 ]

「みちびき」2号機・1日打ち上げ−欧米より高い位置精度、自動運転などに応用へ

(2017/5/30 05:00)

  • みちびき2と4号機のCG画像(準天頂衛星システムウェブサイトより)

内閣府は6月1日9時20分に、地上の位置と時刻を正確に特定できる準天頂衛星「みちびき」2号機を種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)から、三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「H2A」34号機で打ち上げる予定だ。競合する米国や欧州の衛星測位システムより高い位置精度を生かし、自動運転や農業などのビジネスにつなげる。2017年秋までに追加の2機を打ち上げ、18年度から4機体制で本格稼働する。(冨井哲雄)

みちびきは日本版全地球測位システム(GPS)とも呼ばれ、内閣府が運用中。これから打ち上げる2―4号機は、10年に打ち上げた初号機よりも3年長い15年以上の設計寿命となる。2号機は重さ4トン、高さ約6・2メートルで、軌道上展開後の全長は約19メートルとなる。1機あたりの開発・整備費は300億円。

現行では、みちびきの初号機とGPSを組み合わせた測位システムを行っているが、18年度から4機体制に移行。23年度には7機体制とし、米国のGPSに頼らないシステムとなる。

みちびきが本格稼働すれば、ビルの多い都市部での測位精度が向上すると期待される。さらに位置の誤差を数センチメートルにまで修正する高精度測位機能は、米国のGPSや欧州の測位衛星「ガリレオ」が持つ1メートル以上の位置精度と比べ優位性が高い。

すでにこの機能を生かすため、自動運転や農業トラクターの自動走行、飛行ロボット(ドローン)による自立飛行の実証が企業や大学で行われている。

12日に政府の宇宙政策委員会がまとめた、宇宙産業利用の拡大を目指す「宇宙産業ビジョン2030」でも、みちびきの活用を重要な項目に位置付けている。今後のビジネス展開に注目が集まる。

(2017/5/30 05:00)

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