[ 科学技術・大学 ]

ゲルマニウムLSI実現に前進−産総研、10nm以下の超薄膜構造作製

(2017/6/7 05:00)

産業技術総合研究所は、シリコンの性能をしのぐ半導体材料として期待されているゲルマニウムについて、膜厚が10ナノメートル以下(ナノは10億分の1)の均一な超薄膜構造の作製法を開発した。ゲルマニウム単結晶の薄膜化によって、半導体素子としての性能指標である電子移動度が2倍以上に高まる。京都で開かれている半導体技術と回路に関する国際会議「VLSIシンポジウム」で発表する。

ナノメートル寸法の均一なゲルマニウム薄膜を絶縁膜で挟むと、ゲルマニウム薄膜中の電子移動度が向上することを発見した。従来、絶縁膜で挟まれた5ナノメートル以下の半導体薄膜では、界面の不均一性や半導体薄膜の膜厚揺らぎの影響により、電子移動度が著しく減少するというのが半導体の常識だった。

ゲルマニウムは現在のLSIに使われているシリコンに比べて移動度が高く、より低電圧で多くの電流を流すことが可能。シリコンをゲルマニウムに置き換えれば、LSIの高速化が見込める。

今回、半導体転写技術の高度化によって、絶縁膜に挟まれた超薄膜ゲルマニウム構造を作製したことにより、高速で低消費電力のゲルマニウムLSIの実現が近づく。電子デバイスのほか、新しい光デバイスへの応用も期待される。

(2017/6/7 05:00)

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