[ 機械 ]
(2017/6/13 05:00)
鍛圧機械と塑性・レーザー加工の見本市「第5回 MF―Tokyo 2017 プレス・板金・フォーミング展」が開幕まで1カ月を切った。出展規模は過去最大だった前回をさらに上回る265社(前回比42社増)。東京ビッグサイト(東京・有明)の会場を1館増やし、4館での開催となる。主催する日本鍛圧機械工業会(日鍛工)の宗田世一会長に出展や業界動向を聞いた。次回以降で出展各社のトップらに展示の目玉などを聞く。
―板金・プレス機械の新技術に加え、IoT(モノのインターネット)の具体サービスが見られそうです。
「7月12―15日に過去最大規模で開催する。プレス機はサーボプレス、板金機械はファイバーレーザー加工機が席巻し、新設の7号館などで板金の前後工程を含めた提案が多そう。全体ではIoTも見どころ。板金機械が先行し、小型プレス機はそこそこ、大型プレス機はこれからだ」
―プレス機は炭素繊維強化プラスチック(CFRP)などの新材料技術が注目です。
「炭素繊維材料への関心は高く、関連シンポジウムをほぼ連日予定している。現状、自動車で使われているのはバックドアなどいわゆる“ふた物”。今後も機構部品には使われにくいだろう」
―注目のプレス工法に、鋼板を焼き冷まして硬度を高めるホットスタンプがあります。
「高張力鋼板(ハイテン)を冷間で加工したい要求は多いが、そのためのハイグレードの鋼材は日本など地域が限られる。一方、ホットスタンプは課題の生産性を補うため設備の数が必要だ。車部品の共有化の流れで仕事が特定の1次協力会社に集中しており、そうした会社がホットスタンプの設備を多く入れている」
―見本市は、学生に業界の魅力を伝える場でもあります。
「まずは学生に興味を持ってもらうことが大切だ。ブースを巡るとプレゼントがもらえるルートマップを初めて作成し、大学などに約1000枚配布した。日鍛工と日本塑性加工学会、大学との産学連携も今年始めた」
【記者の目/産学連携、業界の底上げを】
日鍛工が今年始めた産学連携は、同工業会が大学と共同研究を行い、成果を会員と共有する独自の試みだ。研究者に距離を感じる中小会員を含めた業界全体の底上げを図る。まずはIoT化に必要な、プレス成形の様子を可視化する研究に取り組む。製造業は変革期にある。学生向けのルートマップについても前向きな施策だと好意的に受け止めたい。(六笠友和)
(2017/6/13 05:00)
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