[ 機械 ]

MF―Tokyo2017/インタビュー(3)ヤマザキマザック・中西正純氏

(2017/6/15 05:00)

  • ヤマザキマザック・中西正純氏

【ヤマザキマザック常務執行役員営業本部本部長】

―レーザー加工機市場では二酸化炭素(CO2)式からファイバー式への移行が進んでいます。対応は。

「今回、CO2機のロングセラー機『SUPERTURBO―X』をファイバー機に転換した機種を出展する。CO2機とサイズなど仕様が同じなので、既存の生産ラインを変えずに更新できる。日本ではまだCO2機が多く使われており、ファイバー機の潜在需要が大きい。エネルギー変換効率が高い点、メンテナンス費用を大幅削減できる点など、ファイバー機のメリットを伝えて移行を提案する」

―CO2機をどう位置付けていますか。

「欧米ではファイバー機の比率が7割ほどに達しており、主流になっている。大量生産する顧客が多く、効率の高さなどを生かせるため、そこまで普及したのだろう。一方、日本ではファイバー機が増えているものの比率はまだ3割ほど。当社としては引き続きCO2機も重要視する」

―展示会では、どんなCO2機をアピールしますか。

「トラックやバスの車台、半導体製造装置の筐(きょう)体などに使われる大型のパイプや形鋼を切断できる機種『3D FABRIGEAR400III』が目玉だ。パイプを斜め方向から切断するなど、他社にはできない加工技術がある。競合はイタリアのメーカーだ」

―ファイバー機よりも優れた次世代レーザー技術を採用した新製品も製品化しました。

「ダイレクト・ダイオード・レーザー(DDL)を採用した新機種『OPTIPLEX 3015 DDL』だ。競合はまだDDL式を製品化していない。ファイバー機よりもレーザーの反射率が低いので、銅やアルミニウムなど切断しづらい金属に最適だ。薄板を高速切断することもできる。エネルギー変換効率はCO2機と比べ4―5倍と高い。メンテナンスも簡単と良いことずくめだが、導入費用が高いことがネック。ただ、受注は順調にできている」

【記者の目/幅広い製品構成が強み】

CO2機からファイバー機への更新を提案しつつ、CO2機の根強い需要も計算に入れている。一方で、ファイバー機を上回る性能のDDL機を他社に先駆けて投入した。ファイバー機の次を担うDDL機を擁するのは大きな強みだ。現状、次、そして将来まで幅広くカバーする製品構成を生かし、多様な需要に応える。(名古屋・戸村智幸)

→ MF-Tokyo2017特集

(2017/6/15 05:00)

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